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京都府木津川市・わずか9年、わずか9.9kmの幻の鉄道……その遺構をめぐるウォーキングコースを発見

loose自営業(京都市)

先日の「無鉄砲 総本店」さんで、大満足のとんこつラーメンをいただいたあと、さて京都市内へ帰ろうかいな、と思ってたんですが、せっかく木津川市まで来てるんだもの、何か見て帰るとこないやろか、と探してみたところ、幻の鉄道の遺構が近くにあることが発覚! たった9年で廃業、そして9.9kmと超短い、まさに幻の鉄道なんですが、9が3つで「999」っていうのもいい感じですね。「メーテル〜! アタスの知人に漫画版の鉄郎に似た女性がいるんです〜!」と、銀河の果てに飛んでいってもまったく困らないプチ情報を叫びつつ、ちょっとだけ見てきたんで、お届けします。

今回知った幻の鉄道、その名は「大仏鉄道」。詳細はこの看板を読んでおくんなます! ではあまりにもなので、ちょいとかいつまんで説明を。大仏鉄道は、JR西日本・関西本線の前身である私鉄「関西鉄道株式会社」(←かんせいって読むんですって)が、名古屋方面から大阪方面への進出を目指して、明治31年4月に加茂駅から現在のJR奈良駅の北に仮設的に作った大仏駅を結ぶ約8.8km、それと翌年に開通した奈良駅までの計9.9kmの路線の愛称なんですって。開業当初は大いに賑わったものの、他路線との乗り入れなどの関係で利用客が減少。わずか9年で廃業となったのです。で、周辺では今もその遺構を見ることができるというわけなんですね。

まずは「城山台公園(大仏鉄道公園)」から。こちらは無鉄砲 総本店さんから北へ約2kmほどの場所にあります。広々とした公園で、晴れてたら気持ちよさそう。ネットを見てみるとここから南へ5kmほどのところに「大佛鐵道記念公園」ってのもあるみたいです。今度行ってみよう。で、この「城山台公園」からすぐ南の道沿いに……。

こんな案内がありまして、それなりに有名なのかな〜と思いつつ、少し東へ行ってみると……。

同じ道沿いにこんなものが。赤橋っていうのがあるんですね、って「ここから」見ることができますって書いてますね……どこ!? と顔を上げて金網の向こうを見てみると!

ホンマにすぐそこにありました。なるほど、これが赤橋。イギリス式で作られておるのですね。勉強になります。そんでさらに少し東へ進んだところに「梶ヶ谷隧道」ってのもあるようで、そちらにも向かってみましょう。

赤橋から少し東へ行きますとゴルフ場があるのですが、すぐその手前の道から入っていくようです。こんな案内板も出ておりました。この道はクルマでは進入不可なので歩いていくことに。そうそう、案内板もありましたが、くれぐれも他の方の土地に入らないようにしてくださいませ。

ほれ、先程の赤橋と同じ種類の説明板も設置されてました。歩いて進んでいきますと……。

こんな感じのあぜ道っていうんでしょうか、緑に囲まれた道をテクテクっと行きまして、突き当りを右に曲がってみると。

おお! これが梶ヶ谷隧道です。壁はレンガ、側壁は御影石でできてまして、豪華な造りとのこと。詳しいことは全然わかりませんが、緻密に造られていて、今でも堅牢な印象を与えてくれる遺構である、ということはわかりましたよ。

んで、さらに進んでいった先にある「鹿背山橋台」という遺構の付近にあったのが、こちらの案内図。JR加茂駅からJR奈良駅まで、全行程約13kmのコースが設定されているようです。

ちなみにこちらが「鹿背山橋台」。花崗岩の石積みの橋台とのことで、水路の湿気でつややかに光ることで人気の遺構なんですって。

今回、初めて知った大仏鉄道遺構。少ししか回ってませんが、周辺は時々クルマが通る程度で、本当に静かな場所なんです。虫の声、時々風が抜ける音、それ以外にはなーんにも聞こえないところで見る遺構はなんだかグッと迫ってくるものがありました。先程の案内図にあったように、距離的にもほどよい感じですし、これから涼しくなれば秋のハイキングなんかにぴったりではないでしょうか? ぜひぜひ足を運んでみてください。そんでその前後には無鉄砲さんでラーメンもぜひ。

大仏鉄道遺構
京都府木津川市など
木津川市観光協会 大仏鉄道遺構めぐりコース

自営業(京都市)

京都在住。飲食店やイベントなどを取材して、記事を作っています。食べること、飲むこと、どこかへ行くことが好きです。

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