太平洋に低圧部が発生中、今後台風1号になるか?
低圧部が発生中
タイトル画像にある通り、日本のはるか南海上の太平洋で雲がまとまってきており、きのう7日(金)午後3時から低圧部が解析されています。
低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が推定できるようになると熱帯低気圧に名前が変わります。
気象庁の予想天気図によると、今発生している低圧部は、今夜8日(土)からあす9日(日)にかけて、フィリピンの東海上へ西進しますが、今のところ、低圧部のまま進む予想です。
ただ海水温が高いため、予想以上に発達する可能性も考えられます。
海水温は30度近い
低圧部が今後進むであろうフィリピンの東海上の海水温は、最も低かった1か月前(3月上旬頃)と比べて、1度から2度ほど高くなってきており、30度近い海域が広がっています。これは熱帯擾乱が発達する海水温の高さとしては、十分に高い状態です。(海水温以外も発達には影響します。)
アンサンブル予報では?
気象庁が発表しているアンサンブル予報をみると、今発生している低圧部は、来週の後半にかけて、フィリピン付近へ進む計算が大半を占めており、熱帯低気圧とみられる状態で進む計算も多くなっているようです。
フィリピン付近に進んだ後は衰弱し、消滅するような計算も多くみられるものの、上図の右側の計算のように、フィリピンの東海上で台風とみられる勢力に発達し、北上するようなパターンも散見されます。
諸外国の計算をみると、台風とみられる勢力に発達し、来週の後半に北緯20度を越え、日本の南に顔を出すような計算も一部にはみられますので、今後台風に発達するかどうかなど、注目されます。
なお、台風1号が平均的に発生する時期は、3月上旬頃となっており、今年はすでに遅い方の発生となってきています。統計のある1951年から2022年までで、72個の台風1号のうち、4月上旬までに発生した台風1号は52個となっています。
参考:国立情報学研究所(デジタル台風)