憲法より首相の感情が左右される安倍ジャパン―臨時国会召集されず一か月、「安倍首相に憲法語る資格なし」
民進、共産、自由、社民の野党4党が、加計学園の追及などのため、臨時国会の召集を求める要求書を先月22日、衆参両院に提出してから、1か月以上経っている。だが、政府与党は今週、24、25日の閉会中審査には応じたものの、臨時国会を開くかは不透明なままだ。こうした政府与党の姿勢は憲法軽視と観られ、安倍政権が目指す改憲をめぐる動きへも影響を与えることになる。
衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会の召集を決定しなければならない―日本国憲法第53条には、そう規定されている。だが、加計学園問題の追及を嫌がる安倍首相は、臨時国会の召集を嫌がっているという(関連情報)。憲法よりも、首相の感情が優先するとは、どこぞの独裁国家のようではないか。
臨時国会召集を拒否する安倍政権の憲法軽視の姿勢は、改憲を目指す自らの首を絞めることにもなる。現行の日本国憲法53条には、臨時国会の召集の期限については定められていないが、自民党の改憲草案では「20日以内に」との文言が付け加えられている。現行憲法だけでなく、自分たちの改憲草案に書いたことすら、軽視しているということだ。
今週24、25日の衆院予算委での閉会中審査の間、国会議事堂前の衆院第二議員会館の前では、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の呼びかけで約750人の人々が抗議。「臨時国会を召集しろ」「森友・加計学園問題、徹底追及」「稲田防衛大臣は辞任しろ」等と訴えた。総がかり行動実行委員会の高田健さんは、筆者に対しこうコメントした。
「安倍政権は憲法53条にしたがい、臨時国会をただちに召集すべきだ。憲法に従わない安倍政権が、改憲を語る資格はない」
野党側も、森友・加計問題のみならず、自衛隊南スーダン派遣での日報隠ぺい疑惑や、九州や秋田県など各地での豪雨災害の対応など、「問題が山積み」であるとして、臨時国会の早期召集を引き続き求め続けていく構え。支持率急落を受け「丁寧に説明していく」とした安倍首相だが、臨時国会の召集を拒否し続けるならば、自らの言行不一致を浮き立たせることになるだろう。
(了)