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【西宮市】8月31日で営業を終了した、大箇温泉。その様子をお届けします。

古本卓嗣地域ニュースサイト号外NETライター(西宮市)

1965年から、今津大箇町の住宅地で営業をしていた大箇温泉。

2022年8月31日(水)、その歴史に幕を閉じました。

阪神・淡路大震災からの復旧に合わせて温泉採掘

オーナーさんの話によると、阪神・淡路大震災で被災した際に、復旧と合わせて2000年に温泉採掘を決意。

そして翌年に温泉掘削に成功、2002年3月正式に利用認可が下りました。

入口付近には、当時使用されたボーリングドリルが展示されています。

こちらで湧いたお湯は「宮泉(みやみず)の湯」と名付けられ、露天風呂で使用されました

※許可を得て撮影
※許可を得て撮影

スーパー銭湯の先を行く銭湯

2006年に改装して以降、番台形式からフロント形式に改められています。

広いロビーには、大きなテレビのあるソファーが。

その横にはパソコンが置かれています。

まだ一般家庭にインターネットが普及する前から置かれていて、筆者も度々お世話になった記憶があります。

ゲームコーナーもあり、かつてはテーブル型ゲーム機(=インベーダーゲーム)もあったとのこと。

昔懐かしいマッサージ機も置かれています。

今でこそスーパー銭湯が増えましたが、それらを先取りしていたんですね。

老朽化、そして燃油高騰がきっかけで閉店へ

ところが2022年に入り、温泉をくみ上げるポンプが故障。

設備の老朽化に加え、お湯を沸かす為の燃料代が高騰したため、廃業を決意されたとのこと。

いたずらをする子供たちを叱る、女将さんの声も聞けなくなりました。

筆者自身の祖父母夫妻がこの向かいに住んでいたので、幼少期から何度も通った場所だけに、とても寂しい気持ちです。

・大箇温泉
 兵庫県西宮市津門大箇町7-17

地域ニュースサイト号外NETライター(西宮市)

生まれ育ちも甲子園の、生粋の「宮っ子」です。過去にはホッカイドウ競馬や、まちライブラリー協会「BOOK FESTA」で公式レポーターとして活動も。時には、西宮・さくらFMに「鉄道案内人」としても出演します。

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