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インド、60%以上が3か月でスマホの容量がいっぱいに:1週間で平均31枚の写真を撮影

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

「インドではスマホで1週間に平均して31枚の写真、14本の動画を撮影」

 インドのスマホユーザーのうち29%、つまり約3人に1人が1週間に1度はスマホにメモリ容量がなくて困っており、62%が3か月ごとにスマホのメモリ容量がいっぱいになってしまうことがわかった。フラッシュメモリを製造しているサンディスクの調査で明らかになった。

 そしてインド人の65%がスマホのメモリがいっぱいになってしまうと、スマホ内の写真や動画を削除せざるを得ないと回答。そのうち36%は友達や家族、ペットの写真ではなく自分自身が映っている写真を削除するとのこと。中には無料で利用できるクラウドなどにスマホの写真を保管する人もいる。

 また46%のインド人が1週間に1回は、スマホの中の写真やデータを整理しており、77%のインド人は1か月に1度はスマホ内のデータを整理して、空き容量を作っていることもわかった。サンディスク・インドのKhalid Wani氏は「インド人はスマホで1週間に平均して31枚の写真、14本の動画を撮影している」とコメント。

低価格スマホが主流のインド、撮影した写真や動画はSNSへ

 インドでは1年間にスマホが1億台以上販売されており、現在でも普及し続けている。インドではサムスンやOPPO、vivoといった中国メーカーのスマホが売れ筋で、ほとんどがAndroidのスマホだ。価格も100ドル以下のスマホが多く、安いものでは30ドル~50ドルでも入手できる。高価なiPhoneはほとんど売れない。

 低価格なスマホが主流のため、スマホのメモリ容量も大きくない。それでもインド人もスマホで写真や動画を撮影するのが大好きだ。サンディスク・インドのKhalid Wani氏は、インド人は平均して1週間に31枚の写真を撮影していると指摘しているが、1日4枚以上の写真を撮影していることになる。動画は1週間で14本ということは、1日平均2本の動画を撮影していることになる。

インド人の多くがスマホを所有するまで、カメラを持っていなかった。特に若い世代にとっては、スマホで日常生活の写真や動画を気軽に撮影できるのが楽しくて仕方ない。撮影した写真や動画の多くはFacebookやインスタグラム、YouTubeなどSNSにアップして、友人らと共有して楽しんでいる。

 メモリの低価格化も進んでおり、それに伴いスマホの価格も下がってくる。そうなるとインド人も心置きなく写真や動画を撮影できるようになる。インド人が撮影した写真や動画の多くはYouTubeやFacebookなどのSNSにアップされ、それらがデータとして活用され、GoogleやFacebookなどの人工知能(AI)開発にも寄与する。AIの発展には大量のデータが必要だ。

 13億人以上の人口をかかえるインドでは、まだネットに接続できない人が10億人いる。彼らにまでスマホが普及してくるようになると、さらに多くの写真や動画が撮影されるようになるはずだ。物凄く大量の写真や動画がインドで撮影されることになる。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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