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10戦全勝10KOの21歳ヘビー級

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo:Frank Micelotta / FOX Sports

 オハイオ州トレド出身の21歳のヘビー級、ジャレッド・アンダーソンが2ラウンドKO勝ちを収め、デビュー以来10連勝を飾った。オールKOでの快進撃が続く。

 10戦目の相手はドイツでの試合が多い33歳のウラディミール・テレシュキン。米国のリングに上がるのは2度目ながら、22勝(12KO)1分けと、負けを知らないベテランであった。

Photo:Frank Micelotta / FOX Sports
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 まだ粗さが残るアンダーソンだが、強気に攻めまくる。サウスポーにも苦手意識は感じずに、手数で圧倒。ロープ際に追い込み、2ラウンド、2分51秒でストップした。

 ご覧にように、前足を踏んで自身のパンチを当てるという、オーソドックスがサウスポーと戦う際の秘策を実践していた。ルール上、故意ならば反則であるが、レフェリーが注意しなければ、これ幸いと使用する選手は多い。

Photo:Frank Micelotta / FOX Sports
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 WBCヘビー級タイトルマッチの前座に出場した注目の若手は、このチャンスで株を上げてやると闘志を漲らせていた。

 「ファーストラウンドは、ちょっと緊張しました。何といっても自分にとって初のPPVでの試合でしたから。でも、いいパフォーマンスが出来たと思います。コーチの指示通りに練習してきたんですよ」

Photo:Frank Micelotta / FOX Sports
Photo:Frank Micelotta / FOX Sports

 アンダーソンは、タイソン・フューリーのトレーニングキャンプに参加し、調整した。

 「彼と同じ空間でトレーニングできたことは、貴重な体験でした。鉄がさらに研ぎ澄まされた気がします。故郷、トレドの誇りになりたいですね」

 17歳でアマチュアの全米王者となったアンダーソンは、当時から将来を期待されていた。ドイツで催された国際大会で優勝したキャリアも持つ。

 今後もチーム・フューリーの一員として共に汗を流せば、この21歳は多くを学ぶであろう。恵まれた環境下で大きく成長してほしい。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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