東南アジア最大級!タイのサイアムワイナリー・モンスーンバレーヴィンヤードでワインテイスティング
タイのワインと言えばモンスーンバレー
ワイン好きの方ならご存知だと思うが、タイにはタイ産ワインがある。
特にサイアムワイナリー社が作る「モンスーンバレー(Monsoon Valley)」はタイを代表するワインブランド。国際的なコンペティションで300以上の賞を受賞する評価の高いブランドなのだが、CLASSIC・PREMIUM・SIGNATURE・FLAGSHIPがあり、PREMIUMに関しては「モンスーンバレープレミアムシラーズ」の評価が非常に高い。CLASSICは日本のタイ料理屋でも見かけるカジュアルなハウスワイン的味わいだ。
日本で「モンスーンバレー」を飲んでも、飲みやすく「辛口」のはずの白ワインもキレがなく少々甘目に感じてしまうのだが、なぜだろう?
それなのに、これからお話するモンスーンバレーヴィンヤード併設のビストロでいただくそれは、保存状態が良いのか、現地で飲むせいか、雰囲気が良すぎるからなのか、とてつもなく美味しく感じてしまう。結局その土地で生まれたブドウで、その土地の気候に合わせた飲み方でいただくのが一番ということなのかもしれない。
モンスーンバレーの故郷はタイのロイヤルリゾートホアヒン
モンスーンバレーヴィンヤードはサイアムワイナリー社のワインの元となるぶどう畑で、タイ王室ゆかりの避暑地、ホアヒンにある。
とはいえ「モンスーンバレー」の名前が示す通り、海沿いにぶどう畑があるわけではない。ホテルが集まるホアヒンビーチからは約35キロ離れた谷に、ぶどう畑が広がっている。
バンコクからホアヒンへのアクセスは?
旅行者がバンコクからホアヒンまで一番簡単で、お得にアクセスできる方法は、バンコク・スワンナプーム空港から出ているバスに乗車すること。割高になるが人数が多いなら、専用送迎車のサービスはたくさんあるので、リサーチしてみて。
車にしてもバスにしても、スワンナプーム空港からホアヒンまではだいたい3時間から4時間。遠いように感じるが、プーケットやサムイなど飛行機で1時間で到着できるビーチも、空港待機時間とホテルまでの移動距離を入れると同じくらいかかることを忘れずに。
ドンムアン空港着の場合は国鉄でのホアヒン行きも検討の余地に入るが、大きなスーツケースを転がしている場合、車両にスーツケースの置き場が確保できないので、おすすめできないが、バックパックで移動している人は国鉄での旅はトライしてほしい。また、中心部から離れた南バスターミナルからもホアヒン行きのバスが出ている。
ホアヒンへのアクセスやバスの乗り方などはこの記事で詳しく解説しているので要チェック。
ホアヒン中心部からモンスーンバレーヴィンヤードへのアクセスは?
車のない旅行者にとっては、かなり不便な立地のモンスーンバレーヴィンヤード。
大人数のグループなら車の半日チャーターなどがお得。ただし少人数で行く場合は、ホアヒンモンスーンバレーヴィンヤードの送迎を使うのが安心。公式サイト上で予約が可能だが、ホテルまでの送迎ではなく、ホアヒン中心部にあるヴィラマーケット2階のワインバーで集合、解散となる。
東南アジア最大級・タイ最大のぶどう畑
モンスーンバレーのぶどう畑はホアヒン以外にもタブクワンヴィンヤード、チェンマイヴィンヤードがあり、タイ国内で合計3か所ある。中でもホアヒンのモンスーンバレーヴィンヤードは約110ヘクタールを誇り、東南アジア最大級のぶどう畑。タイでは最大の広さと言われてる。バスや車で到着した瞬間、その広さを実感できるはずだ。
モンスーンバレーヴィンヤードの楽しみ方
タイ渡航歴が約70回と、ほぼ中毒の域に達している私だが、その渡タイ中、20回はホアヒンに立ち寄っている。とにかく、ホアヒンが大好き。
「いや他にもたくさんリゾートがあるだろう」と言われるのだが、飛行機に乗らずして空港から直行でバスでたどり着けるというのが最大の魅力。他にも
・プーケットのように観光客の方が住民より多い感覚がない。そこそこのローカル度
・客層が良い
・タイ人の生活の場とリゾート地が半々
・静かで何もない
・ラグジュアリーリゾートホテルからお手頃ホステルまで、おしゃれなホテルが充実している
ホアヒンについて語ると25ページくらい(微妙だな)書き綴りそうなのでここまでにして、他の記事で小出しにしていこうと思う。そんなホアヒン旅行ではどうしても「ホテルで朝食を食べたら、プールでのんびりして、ビーチを散策。夕方はナイトマーケット」というルーティーンをこなすだけになりがちになってしまう。暇すぎて「ああ、遠出したい」と思う時に訪ねてしまう場所の一つがここ、モンスーンバレーヴィンヤードなのだ。
中心部のホアヒンビーチから45分ほどかかるのだが、同じ距離を反対側に行くと、ミャンマーだ。そんな秘境感がタイではメジャーなビーチリゾートの一つでありながら体験できることも大きなポイント。
予約時にアトラクションを選ぼう
ぶどう畑で何するの?と言われそうだが、結構な数のアトラクションがある。
ぶどう畑をカートで巡るツアーは150バーツと意外にお手頃。
「ぶどう畑で何それ?」とびっくりしてしまう「象とのふれあい」は250バーツ。「象とのふれあい付きぶどう畑ツアー」という、どちらも含まれたツアーは350バーツ。
しかし、モンスーンバレーヴィンヤードのオープン当初から通い続けている私は、一番最近訪れた際、コロナ禍明けに営業が正式に始まってから、かなりアトラクションの内容が変わったことを知った。
※2024年9月20日現在1バーツは4,6円
人気だった象乗りが終了
「象とのふれあい」の中に、コロナ禍直前まで続けられていた「象に乗ってぶどう畑を散策」が含まれていると思っていたら、スタッフ曰く「あれは終ったよ」とのこと。今はぶどう畑から少し離れた象園で、エサをあげたり、水浴びをする象を眺めることしかできないようだ。
象乗りというと、タイでやりたいアトラクションの一つだが、木製や金属製の座席を象の背に置き、人間を2人を乗せ歩くことは、象の負担になると言うことで、最近はナチュラル指向のエレファントファームが増えている。人間が象遣い(マハウト)になるための研修を兼ね、象と川の中で遊ぶような、象と人間が一緒に楽しむ指向に変わった。
特にモンスーンバレーヴィンヤードは元々野生の象が暮らしていた場所らしく、タイ全体の風潮に合わせ、象と共存し、象を保護する方向制に。
仕方がない。これも象のためだ。思い出として象に乗れていたコロナ禍前の画像を貼っておく。しつこいようだが今はもう乗れない。
サラワインバー &ビストロ
象に乗れなくなったと知った筆者のやることはただ一つ。 併設のレストラン「サラワインバー &ビストロ」で、大自然の中、ひたすらワインを飲み、だらだらと食事をすることだ。
なんだそれだけ?と思うなかれ!見よ!この光景を!
モンスーンバレーヴィンヤードにやってくるゲストの目的は、ほぼ99,99%がこのビストロでの食事だ。食事やテイスティングをしないで帰る人は、自分が訪れた中では見たことがない。
席に着くと...
まず、このヴィンヤードで収穫されたぶどうから作られた100%ワインジュースが供される。果汁だけだが見事に甘い!
まずはお好みのワインをさがすワインテイスティングから
おすすめはワインテイスティングから宴を始めること。料金によってどのランクから何種類テイスティングできるかチョイスできる。タパスも一緒に楽しめるお得なセットが、料金別に豊富に用意されているので、まずそれを試してから、気に入ったワインをボトルやグラスで注文するのが良いだろう。
ワインに弱い人はテイスティングで酔っぱらってしまうのでご注意を。
こちらのビストロ、ワインの冷やし方が絶妙だ。日本で飲むと辛口のはずなのに甘味を感じキレがないモンスーンバレーCLASSICの白も、ここで飲むとキレッキレの辛口に感じる。どうやって管理し、どんな冷やし方をすると、こうなるんだろう?訪れるたびに弟子入りしたくなるほど知りたくなる。
料理は予算に合わせて色々選べる
大酒飲みの友人と訪れると、半日だらだらワインを飲み続けてしまうため、ついついゴージャスな料理をオーダーしてしまう。愛しきタイにいるのに、タイでいることを忘れてしまうぶどう畑と、おしゃれなビストロ。どんどんワインが進んでしまうのだから、もう仕方がないことだ。ここでは贅沢なランチとしゃれこもうじゃないか!
しかし、今ほどタイバーツが強く無い時だったのに、結構な値段になり「皿洗いの刑か?」と焦ったが、カードで支払い事なきを得た。
直近は超円高の時に訪れてしまったため、一品しか頼めない(くぅうう)。そんな時におすすめしたいのが、100%和牛(日本産ではない)パテを使った、ハンバーガー。何と焼き加減まで聞いてくれる上に、ボリューム満点。
パテがオーダー通りのミディアムレアで到着し、しっとりとジューシーだったことを確認した際には「遂にタイもここまで来たか!」とイチ旅行者のくせにエラソーなことをつぶやいてしまった。これを、日本のタイ料理屋では置いていないモンスーンバレープレミアムシラーズと共にいただきますの(一品しか頼んでないのに、ますの、かいな!)。
日本で飲めないモンスーンバレーをゲットして帰ろう
食事だけではなくお土産用のワインやワイングラス、他にも記念になるものが販売されている。せっかくなので、日本のタイ料理屋でも飲める赤と白のモンスーンバレーCLASSICではなく、PREMIUM、SIGNATURE、FLAGSHIPなど、なかなかお目にかかれないワインを買って帰ろう。今は円高なので、あまりお高いワインはおすすめしないものの、プレミアムシラーズの赤はフルボディのように重いワインや、まったりしたメルロが苦手な人には超おすすめ。酸味があってすっきりとした、南国でこそ美味しい赤ワインだ。キンキンに冷やして飲んでみてほしい。
ワイナリーではない
最後に大事なことをお伝えしておく。ホアヒンのモンスーンバレーヴィンヤードはあくまでもぶどう畑で、ワイナリーは併設していない。大きな声では言えないがガイドブックや公式な観光サイトですら「ワイナリー」と紹介しているものが多く、勘違いする人が続出している。あくまでも「サアイアムワイナリーのヴィンヤード」だ。
ここは広大なぶどう畑の、ぶどうの実り具合を見てまわり、ビストロでテイスティングと食事をすることがメインの場所なので、お腹を空かして訪れよう。
年に一度は収穫祭のイベントがあるので、それに合わせていくのも楽しい!詳しくは以下のモンスーンバレーの公式サイトをチェック!
モンスーンバレーヴィンヤード
所在地:1 Moo 9 Baankhok Chang Patana NongPlup HuaHin District 77110
公式サイト:Monsoon Valley