話題「感染者や疑いのある人間を、過剰に攻撃しない方が良い理由」:防ごう、愛と正義感の暴走を
■話題のツイートマンガ「感染者や疑いのある人間を、過剰に攻撃しない方が良い理由」
新型コロナ感染者や感染疑い者を過剰に攻撃しない方が良い理由をマンガで表したツイートが話題です(6.8万リツイート、14.1万 いいね)。
投稿者である井上純一(希有馬)さんは、マンガ家でもあり、別の投稿では、このようなこともおっしゃっています。
「正直こんなのみんな分かってることだから漫画にするのは野暮かなあと思ったのですが、お薦めに乗るくらいRTされたので描いて良かったです」。
ある人々にとっては、わかり切ったことでも、必ずしもみんながわかっているわけではありません。みんなに共感してもらえるわけでもありません。
様々な表現方法がある中で、マンガだからこそ伝わることもあるでしょう。今回のマンガも、とても良いですね。
■新型コロナ感染者や感染疑い者への過剰攻撃が起こすこと
今回のマンガのような注意喚起は、当初から日本赤十字なども行ってきており、マンガや動画を作成しています。
この動画では、もしかしたらウイルスよりも恐ろしい、私たちの心の問題を示しています。
感染拡大の犯人探し→周囲への攻撃→分断と傷つけあい→感染し周囲から責められることの不安と恐怖→症状の隠蔽→疑心暗鬼→感染拡大
■新型コロナ感染者や感染疑い者への「過剰反応」が起こすこと
新型コロナに関する偏見差別、誹謗中傷。これらのことを行う人は、多くの場合、悪人ではありません。普段から悪いことや乱暴なことをする人ではなく、むしろ普段は冷静で穏やかな人ですら、このワナにはまります。
お盆に帰省することも、食事に出ることも、集まりを開くことも、激しく攻撃する人がいます。
もちろん、感染予防は大切です。ルールやマナーを守ることは大切です。でも、国も各自治体も、感染症の専門家も、これらの活動全部を禁止してはいません。
でも、不安が高まると、自分たちの地域を守ろうとして、過剰な攻撃が出てしまうことがあります。動機は、「守りたい」ですが、行きすぎると、かえって地域の破壊につながりかねないのですが。
さらに、過剰攻撃ではなく、愛による過剰反応ですら、問題が起きることもあります。
たとえば、学校では体温37.5度以上の人や、倦怠感や鼻水など感染症と見分けのつかない症状がある人は休みなさい(出席停止)としているところが多くあります。
でも、そのような症状が見られた時に、本人や周囲の生徒を守ろうとして周囲が大騒ぎしし過ぎててしまうと、どうなるでしょうか。
動機は愛と思いやりだとしても、本人は驚き、戸惑い、傷つくかもしれません。そうなってしまえば、本人も、それを見ていた他の生徒も、症状があっても隠すようになってしまうかもしれないのです。
これではかえって困ったことになります。私たちは、深い愛があるからこそ、愛が空回りすることがあることに気をつけなくてはなりません。
感染予防のための適切な対応は必要です。油断は禁物です。一人ひとりが注意することも、とても大切です。そして、そうするためには、過剰攻撃も、過剰反応も、逆効果になることがあることを、忘れたくないと思います。
過剰攻撃も、過剰反応も、特別に乱暴な人や過干渉な人だけが起こすわけではありません。普段なら上手く機能するはずの正義感や愛と思いやりが、行きすぎるのです。
私たちみんなが、不安の中で生活しています。疑心暗鬼と分断ではなく、愛ある協力体制を打ち立てましょう。
愛や正義感が暴走しないように、お互いに気をつけましょう。
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「愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません。礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばずに真理を喜びます。すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、すべてを耐え忍びます。愛は決して絶えることがありません」(コリント人への手紙)。