1機600万円のウクライナ製監視ドローン「LELEKA-100」でロシア軍監視
2023年6月にフランスのメディアがウクライナ軍がウクライナ製の監視ドローン「LELEKA-100」を使用してロシア軍を監視している様子の動画を報じた。
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生品ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。
ウクライナ軍では、小型の民生品ドローンだけでなくウクライナ製の監視ドローン「LELEKA-100」も使用してロシア軍の状況を偵察している。「LELEKA-100」はウクライナにおける老舗のドローンで戦争前は商用の監視・偵察ドローンとして使用されていた。「LELEKA-100」は25倍ズームができるサーマルカメラを搭載しているので夜間でも上空からロシア軍の塹壕付近での人間の動きや軍事施設や戦車の場所などを明確に読み取ることができる。また電波妨害にも強い。「LELEKA-100」は翼やカメラといった部品単位で組み立てている。そのため迎撃されても回収した部品が使用可能であれば、その部品を再利用することはできる。
それだけ高機能なので、報道によると「LELEKA-100」は1機37,500ユーロ(約600万円)と小型民生品ドローンに比べるとかなり高額である。小型民生品ドローンよりも飛行時間も長く、2~3時間の飛行ができる。そのため高い精度で監視ができる。同機で敵を探知してからミサイルで攻撃を行っているが、命中の精度も高い。だが、大型なので目立ちやすくロシア軍に発見されやすく、撃墜されたり、機能停止させられたりしている。そのため小型民生品ドローンのように数多く頻繁に飛ばすことはできない。
▼ウクライナ製「LELEKA-100」を使用してロシア軍を監視するウクライナ軍を報じるフランスメディア
以前にウクライナのメディアUnited24が「LELEKA-100」を使用してバフムトでロシア軍の様子を監視する部隊を紹介していた。「LELEKA-100」でロシア軍の様子を上空から偵察して、高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」の部隊と連携してHIMARSでロシア軍に攻撃を行っている。
動画の中でウクライナ兵は「LELEKA-100はロシア軍によって何回も迎撃されています。そのたびにいつも回収して修理して再利用しています。迎撃されて破壊されることは日常的によくあります。なのでいつも回収してから修理して再利用することの繰り返しです」と語っていた。ウクライナ軍は迎撃された「LELEKA-100」を回収して修理して再利用しているとのことだが、木っ端みじんに破壊されてしまったら回収しても再利用するのは容易ではない。
▼ウクライナのメディアUnited24が紹介するウクライナ製監視ドローン「LELEKA-100」
▼ウクライナ製の監視ドローンLELEKA-100