高梨沙羅が韓国で「ミニョセ」と呼ばれる理由…待ち受ける伏兵と難関とは?
韓国に来ている。先日からこちらも本格的な平昌モードに入ったのだが、本日2月12日、いよいよ高梨沙羅が平昌五輪の空を飛ぶ。
男女を通じてW杯歴代最多タイの53勝を挙げている日本のエースには、開催地・韓国も注目している。
現地メディアも、「平昌でソチの悪夢を振り払う日本の高梨“涙ぐましい雪原の女帝”」(『聯合ニュース』)、「マーレン・ルンビvs高梨沙羅」(『世界日報』)などと見出しを付けて報じている。
妬みか対抗心か…高梨に対する韓国の視線
そもそも高梨は、韓国でも知名度が高い。
韓国では、フィギュア男子の羽生結弦が「ウセンキョルヒョン」と別名を付けられるなど、名が知られている日本選手は少なくないが、高梨もその中の一人だ。
彼女の別名は「ミニョセ」。ミニョを漢字にすると「美女」となり、セは「鳥」を意味する韓国の固有語。つまり、「美女鳥」というわけだ。
この別名でもわかる通り、韓国でも高梨のルックスは注目されている。
前回のソチ五輪が開かれた際は、フィギュアのキム・ヨナ、アルペンスキーのミカエラ・シフリン(米国)とともに「ソチ五輪の美女三銃士」として話題を呼んでいたし、全国紙『中央日報』(米国版)などは、平昌五輪の“韓国7大美女アスリート”の一人でもあるフィギュア女子シングルのチェ・ダビンらと並べて、高梨を「平昌に現れる“冬の女神”」と紹介しているほどである。
(参考記事:「アイドル顔負けの美貌」の声も!! 平昌五輪を盛り上げる韓国の“7大美女アスリート”)
もっとも、高梨が韓国で評価されているのは、その実力だ。多くの韓国メディアが平昌の有力な金メダル候補の一人として彼女の名を挙げられており、10代前半から頭角を現してきたことから「伝説」とも評している。
「日本の美女鳥vs韓国代表1号」
韓国メディアは、そんな高橋に自国の“期待の星”がどこまで食い下がれるかに注目している。というのも、今大会には、スキージャンプ韓国代表のパク・ギュリムが出場するのだ。
現在18歳のパク・ギュリムは、韓国の女子スキージャンプ史上初めて冬季五輪の舞台に立つホープだ。開催国枠を与えられながらも、「正々堂々と五輪に出場したかった」として、自力で出場権を勝ち取った。
実績ではまだまだ高梨に及ばないが、パク・ギュリムは今大会、メダル獲得が目標であると公言している。高梨に挑戦状を叩きつけているわけだ。
それだけに韓国メディアも、「 “日本の美女鳥”高梨vs“韓国の第1号国家代表”パク・ギュリム」(『ニュース1』)、「“スキージャンプ女子代表1号”パク・ギュリム、大どんでん返しを見せるか」(『スポーツ・ソウル』)などと、パク・ギュリムの下剋上に期待を寄せている。
その才能と実績に対抗心を燃やし、逆に高梨の“粗探し”をするメディアもあるほどだ。
(参考記事:対抗心か妬みか。韓国が高梨沙羅に悪態をついているワケ)
これまでの実績では高梨が優位に立つが、パク・ギュリムにはホームの利点もある。しかも、平昌のジャンプ台には“恐風”が吹くといわれているだけに、番狂わせが起こる可能性も少なくない。韓国メディアはそんな“異変”に期待を寄せているわけだ。
(参考記事:平昌のジャンプ台に吹く“恐風”は、高梨沙羅にどう影響するか)
日本はもちろん、各国メディアからメダルが有力視されている高梨と、実績は乏しいが開催国の期待を一身に背負うパク・ギュリム。平昌の夜空にはばたくふたりの勝負の行方に注目したい。