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新しい年に眺めたくなる富士山へ 遠出をしないで日帰りハイキング 富士山の絶景を楽しむ旅

わか子ライター
長池親水公園(山梨県南都留郡山中湖村)

私たちが住んでいる日本の最高峰と言えば「富士山」です。

富士山といえば、どんな遠くからでもその姿を見た時に、誰もが富士山だと解る山であり、車で走っていても、新幹線に乗っていても、飛行機に乗っていても、多くの人は富士山を見つけることが出来ると、何だか心が嬉しくなり、その美しい山容に見とれてしまいます。

何故、富士山は多くの人々に愛される山なのか?

日本で富士山の次に高い山は南アルプスにある北岳(標高3193m)です。甲府盆地から北岳を眺める事は出来るのですが、白根三山の1つである北岳の山頂は山の稜線上にあり、山に詳しくなければ山頂を見つけることは難しいです。 同じように、日本で三番に高い山は標高3190mで2座あり、奥穂高岳(北アルプス)と間ノ岳(南アルプス)ですが、どちらの山も2位の北岳と同じで、山を見慣れないと見つけることは難しいのです。

日本で1位の高さの富士山。その一つの特徴は、並び立つ山が無い独立峰であり、成層火山であることによる大きく広げる裾野の曲線がとても美しく、一目見ただけで誰もが富士山だとわかる事ではないでしょうか。これが、富士山が多くの人に愛され続ける理由の1だと思います。 日本には数多くの山がありますが、富士山だけは誰もが見つけられる山。富士山を見つけた嬉しさと、その場にいる皆で富士山を見つけた嬉しさを共感できる。そのような心が嬉しいと感じられるのは、富士山だけが持つ魅力なのかもしれません。

柳沢峠 標高1472m(山梨県甲州市)
柳沢峠 標高1472m(山梨県甲州市)

標高3776mの独立峰の成層火山である富士山は、成層火山特有の円錐状をしています。その大きく広がるなめらかな曲線は自然が作る芸術作品だとも思ってしまう程の美しさがあります。 成層火山の美しい形をしている富士山のもう一つの特徴は、江戸時代である1707年、宝永の大噴火で出来た宝永火口があることです。美しい曲線にボコッとおできのようにも見える宝永火口を見ると、美しい成層火山の曲線に富士山だけが持つ独自性を感じずにはいられません。

日本国内には富士山の他にも成層火山は多くあり、代表的な山は羊蹄山(北海道)、浅間山(長野県・群馬県)、御嶽山(長野県・岐阜県)、桜島(鹿児島県)等があります。国外では南米のチリとアルゼンチンの国境のアンデス山脈にあのオホス・デル・サラードであり、標高は6962mもあります。しかし、火山活動が活発であるほど火山は山体崩壊をしているので、富士山のように美しい円錐形と裾野を保ちながらも標高が高い山が出来たことは、色々な条件が重なり合ったからであり、貴重な存在でもあります。その富士山の姿に美しさや神々しさを感じ、人々は古くから信仰の対象として大切にしてきたのでしょう。

日本人が大好き「富士山」
新しい年の始まりに、美しい富士山の姿を見たいと思うのは私だけではないかもしれません。真冬の富士山に登ることは不可能ですが、富士山に登れば富士山は見られないので、ハイキングで行ける富士山が良く見える場所です。
(冬期には道路や登山道が凍結する場所が含まれているので、難しい方には暖かくなってからをお勧めします)

1、金時山(神奈川県)

神奈川県箱根にあり、日本三百名山でもある箱根山。その箱根山の外輪山に金時山はあります。富士山の東側に位置する標高1212mの金時山の山頂からは、遮る物が無い富士山の全景と、大きく広がる富士山の美しい裾野を眺めることが出来ます。

金時山山頂 標高1212m(神奈川県箱根町)
金時山山頂 標高1212m(神奈川県箱根町)

金時山の山頂直下は傾斜が急な山ですが、登山口から山頂までの累積標高が500mから600mで登れる初心者向けの山です。大変、人気がある山で登山口や登山コースも多くあるのですが、多くは3時間程度での山歩きを楽しめますし、体力に余裕がある方であれば金時山から明神ヶ岳へ縦走して、箱根外輪山を楽しむ歩き方も出来ます。

2、三ツ峠山

三つ峠山は富士山の北東にある山で、山梨県都留市、西桂町、富士河口湖町の境界にあります。三つ垰山の山頂からは麓に続く尾根の向こうにある富士吉田市と富士山の景色を眺められ、大きくて迫力がある地球が作った富士山と、その麓で暮らす人間の暮らしを感じる光景を眺めることが出来ます。

三つ峠山山頂 標高1785m(山梨県都留市、西桂町、富士河口湖町)
三つ峠山山頂 標高1785m(山梨県都留市、西桂町、富士河口湖町)

日本二百名山でもある三つ峠山は、標高1785mであり、別名は開運山とも言われる大変縁起が良い山でもあります。奈良時代からの修験道の霊山であり、現在も三つ峠駅からのコースに達磨石、八十八大師などの歴史を感じさせられる史跡があります

富士山を眺める登山道には修験であったことを感じさせられる史跡が多く残っている
富士山を眺める登山道には修験であったことを感じさせられる史跡が多く残っている

三つ峠山は登山口によって登る累積標高が変わります。富士急バスの三つ峠登山口バス停(バスの本数が少ないので要確認)からのコースは累積が500mほどであり、初心者向けのコースですが、西桂町の富士急行線三つ峠駅方面の先にある憩いの森駐車場からの修験道の参道より登ると、累積標高は1000mを越えるので体力のある方にお勧めします。(冬期は凍結箇所があります)

3、陣馬山

神奈川県にある陣馬山の山頂からも、美しい富士山を眺めることが出来ます。富士山からの距離が少し遠くなるので、迫力を感じる光景ではないかもしれませんが、日本で一番登山者が多い東京都の高尾山から尾根続きの場所にある陣馬山は、身近で自然を感じるハイキングを楽しみながら富士山を眺められる場所の1つでもあります。高尾山駅より登山口付近までバスも利用できるので、交通が便利な山でもあります。

陣馬山山頂付近の高原
陣馬山山頂付近の高原

標高854.8mの陣馬山山頂周辺は大きく開けており、多くの人々がまったりと自然を楽しめる広い場所が広がっています。

陣馬山は、高尾山から尾根続きに進んだ先にある山ですが、高尾山の登山口から縦走すると、距離は15km近くなり、累積標高も1000mを越えるので体力がある方にお勧めします。初心者の方やハイキングを楽しむ方では和田峠駐車場からであれば登山道は木の階段が整備されているので体力に自信のない方でも安心して楽しめます。(冬期は凍結に注意)

陣馬山山頂(神奈川県相模原市)
陣馬山山頂(神奈川県相模原市)

体力に自信のある方であれば、高尾山駅からバスで行ける陣馬高原下バス停からのコース(累積標高約850m)もお勧めです。

ライター

東京都在住のおばさんです。子育てが落ち着いてきた頃より趣味で登山や街道歩き等を始めました。歩く旅は大変だというイメージがありますが、歩く事で解る楽しみもあります。実際に歩く旅をして、歩く楽しさをお伝えしたいと思っています。

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