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食材が傷みやすい夏、家庭の食品ロスを減らすためにできるちょっとしたヒント #専門家のまとめ

井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
(写真:イメージマート)

2024年の夏は、酷暑だった2023年を上回る暑さだ。2024年7月は、7月として日本の観測史上、最も暑かった。また、2024年7月22日は世界の平均気温が観測史上最も高い日だった。気候変動の影響で、ますます暑さの加速が考えられる。

これだけ暑いと、思いがけない速さで食材や料理が傷んでしまいがちだ。夏場に買ってきた食材を家庭で食品ロスにしてしまわないために、どんなことに注意したらよいだろう。

ココがポイント

▼市販の野菜保存袋を使う。家庭で最も捨てられる食材は野菜。野菜から発生するエチレンガスを吸着透過させて鮮度を保ってくれる
野菜保存袋ってどのくらい持つの?3社3種類の袋に1ヶ月間チンゲンサイ(青梗菜)を保存して比較してみた(Yahoo!ニュースエキスパート井出留美)


▼夏に家でよく作るカレー、常温保存は絶対ダメ。必ず冷蔵もしくは冷凍する。冷蔵なら数日、冷凍でも1ヶ月をメドに食べ切る

鍋ごと寝かせたままはダメ!余ったカレーは冷蔵庫で保存すべき理由(Panasonic)

鍋にあるカレー
鍋にあるカレー写真:アフロ

▼家庭で最もロスになる野菜は必要な分だけ買う。農家できゅうりがたくさん採れて使いきれない場合は太陽光で干すのも一案

実は「もっとも捨てられる野菜」きゅうりが「メインおかず」になる!飛田和緒の3つの技(現代ビジネス)

▼料理は早く食べきり、殺菌効果のある酢や、塩、梅干しなどを上手に活用する。おにぎりには刻んだ梅干しを全体に混ぜるとよい

エキスパートの補足・見解

家庭で最も食品ロスになりやすいのは野菜だ。適量買う。買ってきたら市販の野菜保存袋を活用する。大量に夏野菜がある場合は干し野菜にすると量が少なくなり、日持ちが延びる。ハウス食品グループの調査では、家庭で捨てられる食材の1位がきゅうりという結果だった。

きゅうりがたくさん採れたとき、斜め輪切りにしてざるに並べ、夏の暑い日に太陽のもとで半日ほど干すと、すこし水分が残った「半干し」状態になる。これを塩揉みして甘酢や醤油に漬けるとおいしい(筆者撮影)
きゅうりがたくさん採れたとき、斜め輪切りにしてざるに並べ、夏の暑い日に太陽のもとで半日ほど干すと、すこし水分が残った「半干し」状態になる。これを塩揉みして甘酢や醤油に漬けるとおいしい(筆者撮影)

カレーは家庭でつくる人気メニューだが、常温のままで放置すると傷みやすい。必ず冷蔵もしくは冷凍保存し、早めに食べ切ること。

地震や台風などに備えて備蓄する場合、常温保存できる食材をローリングストック法で保存すること。パックご飯やレトルト食品、パスタなどの乾麺や缶詰など、使った分だけ買い足していけば、循環するので知らないうちに期限が切れることはなく、無駄にはならない。

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about

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