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『笑顔うつ』を発症してしまう人の共通点は?初期症状や見逃しやすい3つのサインについて紹介

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

人前では明るく振る舞うことができる、『笑顔うつ』をご存じでしょうか。

笑顔うつは普通に仕事をしたり、明るくコミュニケーションを取ったりすることができるため、一見「元気な人」に見えますが、一人になった途端無気力になってしまうのが特徴です。

笑顔うつはその特徴から、自分自身でも症状があることに気づきにくく、知らない間に症状が進行して重度のうつ病や不安障害を発症してしまう恐れがあるので注意しなければなりません。

今回の記事では笑顔うつの特徴、笑顔うつを発症しやすい人の共通点、見逃しやすい3つのサインについて紹介します。

笑顔うつとは

笑顔うつとは、うつ病のような症状を発症しているものの、人前や職場では普通の人と同じように活動することができる状態のことを指します。

笑顔うつは、『微笑みうつ病』とも呼ばれています。

笑顔うつは通常のうつ病と違って、患者自身が感情を抑制することで無意識に症状を隠していることが多く、周囲の人もうつ病を発症していることに気づかないという特徴を持っています。

笑顔うつの症状

笑顔うつは軽度から中程度のうつ病に分類されるため、気分の落ち込みや意欲の低下などが初期の症状としてよく見られます。

笑顔うつの主な症状について、下記で紹介します。

・気分の落ち込み、憂うつ感が慢性的に続く
・趣味や好きなことに対する関心や意欲の低下
・注意力の低下、些細なミスが起こる
・落ち込んでいても周囲の人に気づかれないように振る舞う
・人前では明るく振る舞えるが、一人でいるとぐったりしてしまう

笑顔うつは人前で明るく話したり笑ったりすることができますが、家に帰った途端スイッチが切れたようにぐったりして、何もする気力が起きなくなるという特徴があります。

上記のような症状が慢性的に起こっているのにも関わらず「そのうち治るだろう」と無理をしてしまうと、症状が進行して重いうつ病を発症してしまう恐れがあります。

笑顔うつを発症しやすい人の共通点

他人に対して気を遣いすぎてしまう

笑顔うつを発症しやすい人は、他人に対して気を遣いすぎてしまう性格の人が多いです。

自分のことよりも他人のことを優先して、相手に嫌われないように気の進まない頼みごとを受けたり笑顔を作ったりします。

また、他人の要求を受け入れるために頑張りすぎてしまうことも多く、疲れやストレスが溜まりやすい傾向があります。

「自分が我慢すればいい」という自己犠牲の精神が強く、嫌なことでも笑顔で引き受けるのが当たり前になってしまうとやがて心の負担が大きくなり、笑顔うつを発症する恐れがあります。

自分の感情を他人に見せるのが苦手

自分がどんなに落ち込んでいても他人に頼ることができず、心配をかけさせないように笑顔を作ってしまう人は笑顔うつを発症する可能性があるので注意が必要です。

自分の感情を見せることが苦手な人は、無意識に「他人に弱みを見せられない」と考えていることが多く、信頼していた人に裏切られたり幼少期に弱みを受け入れてもらえなかったりという過去の出来事が原因になっていることもあります。

また、我慢強い人や真面目で責任感が強い人、他人の評価や顔色が気になる人も笑顔うつになりやすいため要注意です。

自己肯定感が低い

自己肯定感が低い人は、自分を大切にすることに罪悪感や抵抗感を抱いてしまう人が多いです。

「どうせ自分はダメな人間なんだ」という決めつけによって、自分よりも他人軸で物事を考えてしまう傾向があります。

ありのままの自分を隠して笑顔の仮面を被るようになり、無理に相手の話題に合わせようとしたり笑顔を振り撒いたりするようになります。

心の中ではつらいと感じているのに、無理をして笑顔を作ることで少しずつ心が消耗していき、笑顔うつを発症してしまう恐れがあります。

また、自己肯定感が低い人は他人の顔色を気にしすぎてしまう傾向があります。

「嫌われたくない」「嫌な思いをさせちゃったかな?」と常に人間関係に恐れや不安を感じているため、笑顔でいても心が休まらず、うつの症状を発症してしまうことがあります。

『笑顔うつ』かも?見逃しやすい3つのサイン

一人でいるときに何もやる気が起きない

笑顔うつの大きな特徴は、うつの症状を持っていながら人前では明るく振る舞えるというところです。

職場や友達の前では冗談を言ったり笑顔でいることができますが、家に帰って一人になるとぐったりして身の回りのことができなくなります。

趣味や好きなことに対しての意欲も低下して無気力になり、布団から動けない時間が多くなります。

人と会っているときは普通なのに、最近趣味のことや身の回りのケアが何もできていない人は、もしかすると笑顔うつを発症しているのかもしれません。

十分な睡眠が取れなくなった

笑顔うつになると、普通のうつ病と同じように睡眠障害が起こる可能性があります。

寝ても疲れが取れない、なかなか寝つけない、眠りが浅くすぐ起きてしまう、目が覚める時間が早いなど十分に睡眠が取れていない状態が長期的に続いている場合、うつ病やほかの精神疾患の疑いがあるでしょう。

うつ病になると早朝覚醒の症状が出現することが多いため、笑顔うつを発症しているかどうか見極めるための一つのサインとして覚えておきましょう。

疲労感がなかなか取れない

休んでも疲労感がなかなか取れず、ぐったりすることが多くなった人は、うつ病の初期症状が現れている可能性があります。

頭に靄がかかったようにぼんやりしたり、朝起きたときにぐったりしてなかなか起きることができないなどといった身体の症状が現れます。

少し活動するだけですぐに疲れてしまうため、仕事面で些細なミスを繰り返したり、身体が鉛のように重く感じたりすることがあります。

まとめ

今回は笑顔うつの症状、笑顔うつを発症しやすい人の共通点、見逃しやすい3つのサインについて紹介しました。

笑顔うつを発症してしまう人の共通点は、他人に気を遣いすぎる人や自分の感情を表に出すのが苦手な人、自己肯定感が低い人などが挙げられます。

笑顔うつの症状が出ていると感じたら、まずは自分の症状を受け入れてしっかりと休養を取ることが大切です。

そして、一人で抱え込まずに医師に相談して適切な治療を受けるようにしましょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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