伊藤大海は104.1イニングを投げて被本塁打1本。このままなら、規定投球回以上の最少記録を樹立!?
7月24日、伊藤大海(北海道日本ハム・ファイターズ)は、2回表の先頭打者、ブランドン・レアード(千葉ロッテ・マリーンズ)にホームランを打たれた。今シーズン、伊藤は、それまでに98.1イニング――初回の1イニングを含む――を投げ、被本塁打はなかった。この日の登板を終えた時点では、104.1イニングで被本塁打1本だ。8勝7敗、防御率3.11を記録している。
パ・リーグで90イニング以上を投げている12人のうち、伊藤以外の11人は、少なくとも4本のホームランを打たれている。セ・リーグの11人も、被本塁打は4本以上だ。
2リーグ制となった1950年以降、シーズン全体の規定投球回に到達し、被本塁打が4本未満の投手は、調べたところ、以下の17人が見つかった(見落としがないことを願う)。なお、規定投球回は、どのシーズンも「チームの試合数×1.0」という、現行のルールを当てはめた。
人数は20人近いものの、その大半は1950年代だ。ここ50年間に限ると、2008年に201.2イニングで被本塁打3本の岩隈久志と、2012年に149.0イニングで被本塁打2本のブライアン・ウルフしかいない。
また、若生忠男は、1957年に163.1イニングで被本塁打ゼロだが、この年の規定投球回は「チームの試合数×1.5」だった。パ・リーグはどの球団も132試合を行ったので、規定投球回は198.0(132×1.5)。当時のルールだと、若生は規定投球回未満となる。このリストには、他にもそういう投手が多い。
伊藤は、あと38.2イニングを投げると、シーズン全体の規定投球回に達する。その上で、シーズン終了まで2本目のホームランを打たれなければ(もしくはあと1本しか打たれなければ)ウルフらを凌ぎ(あるいはウルフらと並び)、1950年以降、規定投球回以上では最少の被本塁打、という見方もできる。