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ウィリアム王子はハリーとメーガンのパロディアニメを見た?晴れの場で見せた笑顔に憶測

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
英国アカデミー賞に出席したウィリアム王子とキャサリン妃(写真:REX/アフロ)

 イギリス時間19日、ウィリアム王子とキャサリン妃は、夫婦揃って英国アカデミー賞授賞式に出席した。レッドカーペットを歩くふたりは、満面の笑顔。その幸せそうな様子に、ふたりはハリー王子とメーガン妃がネタにされた「South Park」を見たのではないかとの憶測が、ソーシャルメディアに寄せられている。

以前の記事にも書いたとおり、アメリカのコメディセントラルが放映するアニメーション番組「South Park」は、先週放映された最新の回で、明らかにハリー王子とメーガン妃がモデルとなっているキャラクターを出してきて、ふたりを強烈に皮肉った。物語の中で、カナダの王子とその妻という設定になっているこの夫妻は、「プライバシーを侵害するな」「私たちを放っておいて」と叫びつつ、わざわざ人に注目されるようなことをやり続ける。思うとおりに行かないと、妻は「エスニックの女性だからいじめるのね」と人種を出してくるなど、痛いところをしっかりと突いてくるのだ。

 先月ハリー王子が出版し、たちまちベストセラーとなった「Spare」には、ハリーの家族、とりわけウィリアム王子とキャサリン妃について、悪いことが書かれている。だが、いつものことながら、イギリス王室は何の反論もしていない。それだけに、当初はメーガン妃の肩を持つ声が強かったアメリカでこんなパロディが絶賛されたことを、ウィリアム王子は痛快に感じているのではないかとのささやきが聞こえてくるのだ。

「World Privacy Tour」というタイトルのこの回は大反響を呼んだ(South Park Studio/ Comedy Central)
「World Privacy Tour」というタイトルのこの回は大反響を呼んだ(South Park Studio/ Comedy Central)

「Good Morning Britain」に出演した王室エキスパートは、司会者に「ウィリアムとケイト(キャサリン妃)はあの番組を見たと思いますか?」と聞かれて、「友達の誰かがウィリアムに映像を送ってくれると思います。ウィリアムは『South Park』を見ませんが、友達がソーシャルメディアで見つけるでしょう。彼は皮肉な笑いを浮かべながら見ると思いますよ」と答えた。このパロディアニメは放映されてすぐに、イギリスやオーストラリアでもニュースで取り上げられている。それがウィリアム王子とキャサリン妃の耳に入っていないということは、おそらくないはずだ。過去にはウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式も「South Park」でネタにされているし、なおさらである(この時も、カナダの王子という設定になっていた)。

 ところで、こんなふうにネタにされたことは、ハリー王子とメーガン妃の将来にどんな影響を及ぼすのだろうか。女性キャスターのメーガン・ケリーは、自分の番組の中で、「彼女(メーガン妃)は大統領選に立候補したいようだけれど、その希望はもう消えましたね。『South Park』に吊し上げられたら、もうダメですよ」と、これが決定的なダメージであるとの見解を示した。これについて、ソーシャルメディアには、「『South Park』のせいでキャリアが終わった人は誰もいない」との反論が見られる。しかし、「20年間『South Park』を見てきたが、ネタにされるのはそれだけの理由が十分ある人たちだけ。『South Park』に取り上げられたら、自分がいかにばかばかしい人間になったのかを悟るべき。そして消えるべきだ。彼らもそこに耳を傾けてくれたらいいのだが、そうはしないだろう」という書き込みも見られた。

 当のハリー王子とメーガン妃は、どう受け止めたのか。この件について彼らはまだ何もコメントをしていない。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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