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NY原油20日:米原油在庫減少で反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油7月限 前日比0.99ドル高

始値 58.32ドル

高値 59.04ドル

安値 58.10ドル

終値 58.98ドル

米原油在庫が予想以上の強力な減少圧力に晒されたことを受けて、反発した。

為替市場で急激なドル安傾向に一服感が浮上する中、前日は5月入りしてからの最安値を更新した。本日も為替相場はややドル高気味に推移しているが、一段と相場を下押しすることには失敗している。買い玉整理の動きが急ピッチに進んでいるが、米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫が下振れしたことを受けて、本日は改めて買い優勢の展開になっている。

マーケットでは、前週に製油所稼働率が大きく低下したこと受けて、需要サイドから在庫減少圧力に歯止めが掛かるとの見方が強かった。しかし、実際の製油所向け原油需要が大きく下振れすることはなく、5月15日の週の原油在庫は前週比-267.4万バレルと大きく減少している。これを手掛かりに大きく買い進むような数値ではないが、前週に急落していた反動もあり、やや安値是正の動きが優勢になった。

もっとも、目先はドル相場次第の展開が続く見通しであり、このままドル安傾向にブレーキを掛けることができれば、原油相場の反発余地は限定されよう。米欧の景況感格差を背景としたドル安(ユーロ安)傾向に終止符を打てば、少なくとも戻りを試すリスクは限定されることになる。需給に関しても、シェールオイルの減産で国際需給バランスが均衡化するといった根拠の弱い楽観見通しに疑問の声が上がっており、下値不安の大きい相場環境と評価している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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