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ユヴェントスで前人未到の4年連続2冠に迫るアッレグリ、続投を望むファンの割合は?

中村大晃カルチョ・ライター
5月5日、ボローニャ戦でのアッレグリ監督。自身にとっての4連覇が目前に(写真:ロイター/アフロ)

絶対王者にとっても苦しいシーズンだった。だが、その瞬間は徐々に近づいている。

ユヴェントスは5月5日、セリエA第36節でボローニャに3-1と勝利した。2位ナポリとの勝ち点差は、暫定で7ポイント。6日のトリノ戦でナポリが負ければ、7年連続のスクデット獲得が決まる。

今節で勝負が決まらなくても、ユーヴェの優位は変わらない。次節はアウェーで3位ローマとの対戦だが、仮に負けても首位をキープできる。そして最終節は、エラス・ヴェローナとのホームゲーム。降格が決まった19位を相手に、ユーヴェが勝ち点を落とす可能性は、限りなく低いだろう。

◆前人未到の偉業が目前

今季もスクデットを手にすれば、マッシミリアーノ・アッレグリ監督にとって、前任のアントニオ・コンテを上回る4連覇となる。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、1930年代にユーヴェが5連覇した際に4連覇したカルロ・カルカーノ監督に続く史上2人目の快挙だ。

ジョヴァンニ・トラパットーニ、マルチェッロ・リッピ、ファビオ・カペッロ…ユーヴェとイタリアサッカーの歴史を彩ってきた名将たちでも成し遂げられなかった偉業に迫るアッレグリは、さらに輝かしい記録を残すチャンスにも近づいている。

6日付の『ガゼッタ』によると、今節で優勝が決まっても、祝賀会の予定はないという。9日にミランとのコッパ・イタリア決勝が迫っているからだ。コッパで優勝すれば、ユーヴェは史上初の4連覇を達成。そしてアッレグリは、イタリアで初めて4年連続国内2冠を成し遂げた指揮官となる。

国外でも、チャンピオンズリーグ(CL)制覇にこそ至っていないが、4年間で決勝を2回経験し、欧州での名声が高まった。4シーズンにわたる見事な手腕に対する賛辞は後を絶たない。

◆国内ではやり残したことなし?

しかし、だからこそ、一つの疑問が残る。いかにモチベーションを保つかという問題だ。契約は2020年まで残り、ビッグイヤーもまだ掲げていない。クラブもアッレグリも、互いへの信頼を強調している。だが、国内でアッレグリがやれることをすべてやり遂げた感は否めない。

コンテが2013-14シーズンに達成した勝ち点102というセリエ記録は更新できていないが、今季はすでに勝ち点91と過去2シーズンの数字に並んでいる。アッレグリ体制における最多勝ち点記録が更新されることは確実だろう。そもそも、アッレグリは勝ち点記録をさほど重視していない。

必然的に、去就やクラブの監督人事が定期的に話題になるのは避けられない。アッレグリのプレミアリーグ挑戦は以前から噂になっており、直近では、『コッリエレ・デッロ・スポルト』が、イタリア代表のオファーを断ったカルロ・アンチェロッティとユーヴェのコンタクトを報じている。

◆ファンが望むは続投か

では、サポーターの希望は現体制の続投なのだろうか。4日付の『コッリエレ』が伝えた世論調査によると、アッレグリの続投を望むファンは56%。一方で、31%が今季限りでユーヴェとアッレグリが道を分かつべきと答えた。「大多数が続投希望」ととらえるか、「3割が監督交代希望」ととらえるか、興味深い数字だ。

2018年5月4日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年5月4日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

なお、アッレグリ退任時の後任候補の最右翼には、経験者の名前が浮上した。チェルシー退団が有力視されているコンテだ。CL決勝に駒を進めたジネディーヌ・ジダンとユルゲン・クロップが続き、今季のリーグで随一の攻撃力を誇るラツィオのシモーネ・インザーギも12%を得票している。

2018年5月4日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年5月4日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

ちなみに、『コッリエレ』は背番号10を纏うパウロ・ディバラの去就についても調査。アッレグリを大きく上回る77%が「残留すべき」と回答した。シーズン序盤こそ圧倒的なパフォーマンスだったものの、以降は浮き沈みもあったディバラだが、サポーターからの信頼は厚いようだ。

2018年5月4日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年5月4日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

そのディバラのダメ押し弾でボローニャ戦を制し、優勝に近づいた今は、アッレグリ続投とディバラ残留を望む声がさらに高まっているかもしれない。ジャンルイジ・ブッフォンの引退や守備陣の高齢化など、“サイクルの終わり”が叫ばれるユーヴェだが、指揮官とエースはこのまま老貴婦人をけん引していくのだろうか。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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