【加湿のNG6選】節約のため置いてはいけない場所は?実は乾燥につながる意外な行為は!?気象予報士解説
乾燥する季節、家族の体調のために部屋を加湿する人も多いのではないでしょうか。
室内の湿度が上がると体感温度も上がるため暖房代の節約にもつながりますが、実は加湿の方法が間違っていることによって、逆効果になってしまっている人もいるかも!?
今シーズンは太平洋側を中心に雨が少ない冬となっていて、この傾向はこのさきも続きそうです。温度・湿度のしくみに詳しい気象予報士が解説します。
【NG1】加湿器を窓際に置く
加湿器は場所を取るものも多いので、邪魔になりやすい部屋の中央を避けて、窓際に置いている人も多いのでは。
しかし、窓際は部屋全体に比べ、気温が低く湿度は高い傾向にあり、加湿器の温度・湿度センサーが正常に機能せず、室内を十分に加湿できないおそれがあります。
【NG2】加湿器を床に直接置く
これは大風量の機器以外の話になりますが、加湿器を床に置くと、やはり窓際と同様に気温が低いために正常に機能しないことがあります。
大きな加湿器を床に置く場合も、できれば台座などで床より数センチ高くして置くのがおすすめです。
【NG3】加湿器をエアコンの風が直接当たる場所に置く
加湿器から出る蒸気を部屋全体に循環させるため、エアコンの温風の通り道に置くとよい、と聞いたことはありませんか?
これ自体は正しいのですが、このとき、エアコンの風が加湿器の温度・湿度センサーに直接当たると正常に機能しなくなってしまうことがあります。
加湿器そのものがエアコンの風の通り道というより、「加湿器から出る蒸気の部分をエアコンの風が通過する」ような位置を選びましょう。
【NG4】能力が適していない加湿器を使う
加湿器にはそれぞれ加湿できる能力に限界があり、適用床面積(適用畳数)が書いてあります。
電気代の節約効果を狙うには、使う部屋より少し大きいくらいの適用床面積を持つ加湿器を使うのがおすすめです。
加湿器の能力がオーバースペックになることによって、むしろ電気代が高くなるのでは?と思われるかもしれませんが、湿度センサーがついているものであれば運転しすぎを防ぐことができます。
【NG5】加湿しすぎ
冬は加湿すればするほど良い…と思っている人もいますが、実は加湿しすぎはNG。カビやダニのリスクを増やしてしまいます。
そのため、加湿は湿度50~60%くらいを目指すようにしましょう。
加湿器に湿度表示がついているものはそれを参考に、また湿度センサーによって自動で過加湿を防ぐタイプもあります。
湿度表示のない加湿器の場合でも、温湿度計は100円ショップなどで安価に手に入ります。
【NG6】結露対策をしない
寒い日に、外気で冷やされた窓ガラスと室内の暖かさとの温度差によって、窓に水滴がつく結露ですが、結露は水だから部屋の加湿に貢献している…と考えていませんか?実は逆です。
結露は、室内にあった貴重な水蒸気を水に変えたもので、結露を拭き取ったあとには部屋全体の水分量が減らされていることになります。
とはいえ結露を拭き取らないとカビなどの原因となり不衛生なので、そもそも結露が生じないよう、ホームセンターにある結露防止シートなどを活用して対策をしましょう。
"いつもより寒い冬"を正しい加湿で乗り切ろう
今シーズン(2024年12月~2025年2月)は、全国的に平年並みか低い気温になると予想されていて、実際にこれまでのところ、強い寒気が流れ込みやすい気圧配置が続いています。
しかもこの傾向はこのさき年明けにかけても続く見通しで、全国的に寒さ、そして太平洋側では乾燥への対策がいつも以上に必要です。
寒さや乾燥で風邪をひきやすくなったり、エアコンの電気代がいつもの年より高くなってしまったりする中、正しい加湿をすることで、いつもより寒い冬をできるだけ快適に乗り切りましょう。
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