【葛飾区】鮮やかなヒガンバナが石仏群を彩る…奥戸の「宝蔵院」で秋の風物詩、ヒガンバナが開花中!
奥戸にある真言宗豊山派の寺院「宝蔵院」は、ヒガンバナの名所として知られています。現在、境内では赤や白、黄色のヒガンバナが咲き始めており、立ち並ぶ石仏に秋の彩りを添えています。
(写真はすべて2023年9月19日撮影)
新中川に架かる奥戸新橋のすぐ近くに、厳かなたたずまいの宝蔵院があります。石造りの堂々たる鐘楼が見下ろす山門の先には、閑静な参道が伸びています。
木陰が心地よい参道の左側では、真っ赤なヒガンバナが咲き始めており、周囲の石仏や薬師堂に彩りを添えています。
端正な薬師堂には、「式部薬師」と呼ばれる木造薬師如来立像が安置されています。
これは江戸時代中期に王政復古を唱え、後の尊王思想に影響を与えた、竹内式部ゆかりのもの。宝暦事件(1758年)の際に首謀者と目された式部の門下生で、公家の徳大寺公城の家臣だった本堂良喜が、京都を追われてここ宝蔵院に匿われたのです。その後、公城の娘の妙姫が良喜の後を追って宝蔵院に身を寄せ、式部から預かった薬師如来像をこの地に安置したのでした。
薬師堂の前に咲く赤いヒガンバナを見ていると、苦難の末に宝蔵院にたどり着いた薬師如来像に明かりを灯しているようで、心を打たれます。
薬師堂の北には本堂があり、参道の左側に赤い頭巾と前掛けをつけたお地蔵様と、たくさんの石仏が立ち並んでいます。
石仏群の前には赤いヒガンバナが群生しており、仏様に祈りを捧げているような光景が広がります。
こちらの石仏群は長い年月の間に無縁仏となったり、明治維新の際の廃仏毀釈のもとで埋められたりしたもの。後に掘り起こされ、この場所に祀られました。
厳かな石仏と赤いヒガンバナが並ぶ様子は、たいへん絵になります。スマホやカメラを手にした参拝客が訪れては、熱心に写真を撮っていましたよ。
境内のあちこちで、赤だけでなく白や黄色のヒガンバナも咲き始めています。はっと目を引く鮮やかな色が、秋の訪れを感じさせます。
秋のお彼岸を迎えて、宝蔵院の境内を彩るヒガンバナはこれからどんどん咲き進んでいきます。お参りに訪れて、秋の気配を感じてみるのはいかがでしょうか。胸に染み入るような光景です。
名称: 宝蔵院
所在地: 東京都葛飾区奥戸8-5-19
アクセス: JR新小岩駅から京成タウンバス 新小岩東北広場(12番乗り場)より市川駅行き(新小52)で「奥戸新橋」下車、徒歩約2分/京成線 四ツ木駅から京成タウンバス 市川駅行き(新小52)で「奥戸新橋」下車、徒歩2分
宝蔵院への行き方(葛飾区公式HP): https://www.city.katsushika.lg.jp/faq/1030281/1007672/1012501.html