台風10号は速度アップ、九州最接近は今夜遅く~あす明け方に、干潮時でも高潮に厳戒を
台風10号は速度アップで、九州西側を北上へ
大型で非常に強い台風10号は、きょう午前9時現在、奄美大島の南東の海上を時速20キロで北上しています。
このあとも中心気圧925hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速75メートルという勢力で、奄美地方近海をきょう夕方にかけて通過しますが、鹿児島県本土に近付く今夜21時には中心気圧935hPaと若干中心気圧が上がるため、鹿児島県本土の台風特別警報の基準(930hPa以下)にわずかに到達しない可能性が高くなってきたようです。
もしこの予想通りならば、予告された台風特別警報は出されないかもしれませんが、それでも非常に強い勢力を維持したまま、鹿児島県など九州へ接近するため、危険度が非常に高い事には間違いありません。
さらにもう一つ重要なことは、台風の北上するタイミングが早くなってきていることです。これまでの予想より、時速で5キロから10キロ程度上乗せがあり、時速30キロから40キロ程度に加速しながら北上するため、鹿児島県本土への最接近が今夜遅くになっているのをはじめ、あす7日(月)の明け方には長崎県沖(五島市付近)を通過する予想です。
この九州北部あたりでは、昨日の予想よりも6時間程度台風の最接近が早まっていますので、今後ともこの最接近のタイミングのズレには十分な注意が必要です。
高潮は満潮以外も厳重警戒を
今回、記録的な暴風や大雨はもちろん危惧されますが、なかでも九州西岸の津波のような高潮の発生が非常に危惧されている状況です。
上図の満潮と干潮などの潮位の変化表は、気象庁HPの潮位表から筆者が加工抜粋したもので、九州の鹿児島、熊本、長崎、福江(五島市)についてみたものです。
各地とも台風の接近と満潮が重なる可能性のある時間帯は、おおむね今夜遅くとあす7日(月)昼前の2回となります。
台風の北上速度が上がっているため、鹿児島ではまさに今夜遅く、台風の接近と満潮が重なりあう時間帯が予想されており、台風の中心が近付くと一気に潮位が上がるおそれがある他、高さ10メートル以上の高波も予想されているため、高潮と高波が重なり合うことで、より波が堤防を越えやすくなると考えられますので、海岸や河口付近の方は屋内でもなるべく高い所に避難しておいた方がいいかと思われます。
一方、熊本や長崎、福江(五島市)では、7日(月)昼前の満潮時の台風接近が非常に懸念されていましたが、台風の速度が上がり、最接近が明け方に変わってきているため、満潮と台風接近が重なりあう可能性は小さくなってきています。
とは言え、台風は勢力が強いまま襲来しますし、高波も記録的なことを考えると全く安心できない状況だと思われます。
干潮に向かう頃の台風最接近でも海岸や河口付近の方は堤防越水などによる浸水に十分警戒をして下さい。
また今後も台風のコースや速度が変わることがありますので、最新情報を確認してください。