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次期iPhoneの半数は曲面の有機ELディスプレイを採用したプレミアムモデルか

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
先行して曲面ディスプレイを採用しているサムスンのスマホ。(写真:ロイター/アフロ)

Appleが来年発売するとみられている次期『iPhone』について、半数は曲面ディスプレイを採用したプレミアムモデルになるのではないかとの話が出てきています。

韓国メディア『The Korea Herald』は業界筋の話として、Appleがサムスンに対してiPhoneの年間販売台数の半数にあたる約7,000万枚から1億枚のプラスチック有機ELディスプレイを発注したと伝えています。

有機ELディスプレイにはガラス製とプラスチック製があり、ガラス製はフラットタイプに、プラスチック製は曲面タイプに利用されることから、次のiPhoneは曲面ディスプレイになるとみられています。

このほか業界筋はAppleがLGディスプレイとJDIに対しても液晶ディスプレイを発注したと話しており、こちらはフラットタイプになるとのことです。この話が真実なのであれば、Appleは2つの異なるモデルのiPhoneを準備していることになります。

有機EL、生産量に不安も

一方で有機ELディスプレイの採用には不安もつきまといます。増加する注文に生産が追いついていないのです。

Bloombergによると日本のキヤノントッキ株式会社が受注の増加に応じて生産能力を拡大させており、その生産ラインは10本にまで伸びているとのことです。

同社は生産能力を明らかにしていないが、関係者によると、16年は製造装置10ライン未満を生産できるまで増強したという。

出典:アップルの有機EL恩恵、新潟のキヤノン子会社に-製造装置の生産増

しかし、この本家の記事(英語版)には「生産量を倍増させたあとでも受注予約は増え続けており、その予約待ちは2年になる」とも書かれています。

But there's a problem: Canon Tokki has a growing backlog even after doubling output in 2016. The potential production bottleneck is raising questions over Apple's ability to feature OLED displays in next year's iPhones, and whether the Cupertino, California-based company will be able to line up additional suppliers. The current wait for a machine, which can cost more than 10 billion yen ($85 million) each, is about two years.

出典:Apple's Search for Better iPhone Screens Leads to Japan's Rice Fields - Bloomberg

毎年2億台以上売れるiPhoneに対して、サプライヤーが必要な有機ELディスプレイを準備できるかどうかが次期iPhoneの鍵を握っています。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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