裏通り、雑居ビルの2階、しかも目にとまるような看板も出ていない。

「まさかこんなところにケーキ店があるなんて」思わずそう口に出てしまう、それが「パティスリーチロリ」さんです。

場所は高島屋の裏手を細い路地に入ったところ。看板もごく小さなものしかなく、このビルの外観で探してもらうのが正しいですね。

確認できるのはこれくらい。奥のエレベーターから2Fにあがりましょう。

実はこちら、大門町にある日本料理店「大門町ちろり」さんが手がける、大人のための創作洋菓子。ケーキ店ではありますが、そこには大胆に和菓子の技法が取り入れられていて、大変にオリジナリティの高い甘味となっています。

たとえばこちら、白いケーキの「白砂（はくさ）」は、爽やかなゆずが香るレアチーズケーキ。エディブルフラワー（食べられる花）や銀箔を使っていて、見た目も美しく、おもたせにぴったりです。ゆずの風味が特徴的で、コーヒー以外のお茶にも合わせやすいですね。

さらにこちらが「彩福（あやふく）」。シンプルないちごタルトに見えますが、じつは生クリームとあんこを求肥（ぎゅうひ）でつつんだおまんじゅうのような食感が楽しめる逸品。見た目と食感のギャップがすごく、これも驚きがあるお菓子として、お持たせに良いですねえ。

あまりにも目立たないお店ですが、あえてそうしているようで、今後もこのスタイルは変わらなさそうです。むしろ「知る人ぞ知る」という路線を行くのかも知れませんね。既存のケーキとは違った方向性が楽しめる、唯一無二のお店として話題になりそうです。なお、いまのところ年中無休で営業されるそうです。