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40歳の李大浩、引退目前も首位打者争い 「まだ日本でやれる自信はある。ソフトバンクは雇ってくれる?」

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
イ・デホと球団40周年のロゴ(写真:ロッテジャイアンツ)

2012年からオリックスとソフトバンクに計4年在籍し活躍。現在は古巣の韓国KBOリーグ・ロッテジャイアンツに所属するイ・デホ(李大浩)が、現役生活の終盤を迎えている。

プロ22年目40歳のイ・デホの今季ここまでの成績は129試合に出場し(144試合制)、打率3割4分1厘、20本塁打、87打点。特に9月に入ってからは4割4分9厘と打ちまくっている。引退目前だというのに打ちまくりまくっている。

まだ日本でやれる自信はある

今月15日の試合前、イ・デホは好成績を残しての引退について明るい表情で話した。

「正直、打つ方だったらまだやれます。ただ、後輩たちにチャンスを与えたいと思って辞めると決めたんです」

イ・デホは2021年のシーズンを前にFA権を行使してロッテに残留。2年契約を結んだ。その時に22年限りでの引退を決断している。

現在のイ・デホの高打率は「KBOリーグの投手全体のレベルが高くない」という点は否めない。イ・デホはそれを認めた上で、「まだ日本でやれる自信はあります。ただ打つだけではなくて、進塁打を決めたりチームに貢献するプレーも出来ます」と話した。そして冗談めかしてこう続けた。

「ソフトバンクで練習生としてアルバイトで雇ってくれないかな?(笑)打撃コーチ兼選手というのもいいですね。だけど韓国で引退セレモニーをたくさんやってもらっているから、そうはいかないけど」

KBOリーグでは7月下旬からイ・デホの「引退ツアー」を行っている。引退ツアーとは引退セレモニーをビジター各球場でも行うこと。これまでに6球団の本拠地で開催された。リーグ主導で進められイ・スンヨプ(2017年に引退)に次いで2人目の実施となる。

引退シーズンの途中に変えたフォーム

イ・デホといえば広めのスタンスでオープンに構え、腰を落とした姿勢から左足を上げて体重移動してスイングを始動するのが特徴的だ。しかし今季途中、フォームを変えた。

「スタンスを狭くして、(左)足を上に高く上げるフォームにしました。ボールを長く見られるようにするためです」

イ・デホの打撃フォーム。左が昨年、右が今年(写真:ロッテジャイアンツ 中継画面から提供)
イ・デホの打撃フォーム。左が昨年、右が今年(写真:ロッテジャイアンツ 中継画面から提供)

14日のSSGランダーズ戦。3番イ・デホは2点を追う8回裏2死ランナーなしでレフト前ヒットを放ち、後続につなげた。球種が豊富なノ・ギョンウン(盧景銀)がカウント1-1から2球続けた外角へのカーブを打ったものだった。

「自分は元々フルスイングするタイプじゃなくて、ボールに合わせていくバッターです。今のフォームはあらゆる球種に対応するのに合っていると思います」

引退前であっても止まらない向上心が、今の結果につながっている。

ポストシーズン進出に望み

引退へのカウントダウンの中、イ・デホは球場に通う時に感慨にひたることもある。

「毎日来ていた球場にあまり来なくなると思うと、長い間やってきたので寂しくなります。その一方で22年もやったので、ゆっくり休みたいです」

そう話すイ・デホだが、お別れモードには入っていない。打率1位のホセ・ピレラ(サムスン、元広島)とイ・デホとの差は4厘。イ・デホには首位打者の可能性もある。タイトルを獲っての引退についてイ・デホは、「その欲はない」と話すが、日本のクライマックスシリーズに相当する、ポストシーズン進出はまだあきらめていない。

現在ロッテは10球団中の7位。ポストシーズンに進める5位とは5ゲーム差だ。イ・デホの高校の後輩で5番を打つ23歳のハン・ドンヒ(韓東熙)は、「(イ)デホ先輩が試合前のミーティングで、『まだ5位はあきらめない』と言いました。その言葉を聞いて、僕らの気持ちも盛り上がっています」と話した。

ロッテの公式戦は残り13試合。10月8日に地元・プサン(釜山)で行われる今季最終戦に、イ・デホの引退ツアーのフィナーレが予定されている。

(記録は9月16日現在)

⇒ KBOリーグ2022年個人成績(ストライク・ゾーン)

⇒ KBOリーグ順位表(ストライク・ゾーン)

(関連記事:イ・デホの引退ツアーがスタート 2安打3打点の活躍もチームは6連敗

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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