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40代で本気で結婚したい女性がすべきこと~連載インタビュー(1)茜会~

大宮冬洋フリーライター

「私はいま40歳です。結婚相手を見つけるのは大変だとはわかっています。でも、婚活をがんばっているんです。『あきらめろ』なんて言わないでください」

ある女性から抗議をされた。筆者が本連載で書いた「結婚のあきらめ適齢期。女性は39歳、男性は44歳で婚活をやめて自由になろう」を読んだらしい。ちょっと冷たい印象を受ける内容だったかもしれない。お詫びというわけではないが、識者を訪ね歩いて「40代の女性が本気で結婚したくなったらどうすればいいのか」を考えていきたい。

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中高年専門の結婚情報サービス会社として50年以上の歴史を持つ茜(あかね)会は、東京・横浜・大阪にサロンを構え、約4000名の会員のお世話をしている。男女ともに会員の7割以上は50代60代であるが、40代の女性会員も2割程度いるらしい。同会では40代は「若手」に該当するのだ。ベテランのカウンセラーであり広報責任者でもある立松清江さんに話を聞いた。

茜会の立松清江さん。「結婚相手に求める条件は自分で気づいて変えていくものです」
茜会の立松清江さん。「結婚相手に求める条件は自分で気づいて変えていくものです」

――今日はお時間をいただきありがとうございます。私は友人知人を対象に「お見合いおじさん」活動をしているのですが、40代の男性からも「子どもがほしいので30代前半の女性と出会いたい」と言われます。茜会の現状を教えてください。

50代60代になっても子どもをあきらめていない男性は一定数いらっしゃいます。出産を考えるとどうしても若い女性を求められるので、40代女性は結婚対象にはなりにくいのが実情です。子どもがほしくなくても、「若くてキレイな女性がいい」が男性の本音でしょうね。

一方の女性は、「話が合う」同世代の男性を希望される方が多いのですが、10歳以上年上でも経済力がある男性ならば会ってみたいと言われる方もいます。結婚に何を一番に求めるかによって相手選びは変わるのです。

――すごい美人でない限り、40代の女性が年齢の近い男性と出会って結婚するのは難しいということでしょうか。

お見合いの場合は、最初は年齢や年収などのスペックから入るのが普通です。私たちも「まずはご自分のお気持ちを大事にしてください」という姿勢で臨みます。こだわりたかったらどれだけ条件を出してもいいのです。

ただし、すべての条件が合っていてもフィーリングが合うとは限りません。以前に、高学歴で高収入の女性をお世話したことがありました。自分と同じぐらいの学歴や収入のある男性を求めていらして、まさにぴったりの男性ともお付き合いされたのですが、うまくいかなかったようです。その後、イベント(茜会主催の会員向けパーティ)で出会った別の男性と結婚されました。最初におっしゃっていた条件とはまったく違ったのですが、優しい人柄に惚れ込んだようです。

男性にもこういう方がいます。当時52歳で、子どもがほしいので初婚の若い女性を探していらっしゃいました。でも、お見合いがなかなかうまくいかず、気分転換で参加したイベントで49歳のシングルマザーの女性と出会いました。2人のお子さんを育てていらっしゃる、可愛らしくて人柄もいい方です。結婚された後、その男性は「一度に子どもが2人もできました」と喜んでいらっしゃいました。

――いい話ですね。ならば、最初から「もっと視野を広げて相手を探しましょう」とアドバイスをすればいいのではないですか。

いえ。自分で気づかなければ人は変わることはできません。特に、入会をされた直後などは自分自身がどんな人を求めているのかは明確にならないものです。まずは自分なりの条件でお見合いやイベントに参加してお相手を探していただければいいと思います。その代わり、何か気づいたことがあればカウンセラーにどんどん相談してください、とお伝えしています。

大宮さんの「晩婚さん、いらっしゃい!」連載を拝見しました。スポーツマンに絞って婚活をして成功した女性の記事がありましたね。年収や年齢などの数字上の条件にこだわらなくなったときに出会いが近くなったのだと感じました。

――確かに、求める結婚相手を自分の言葉で端的に表現できる人は婚活がしやすくなる気がします。私の知人女性は「食、笑い、体の3大相性がいい人」を求めていると公言し続けて良きパートナーを見つけました。

相手に何かを求めるだけでなく、相手のマイナス面も受けとめられるようになると出会いが格段に広がります。年齢を重ねると様々なことを抱えるようになるものですよね。介護が必要な親がいたり、まだ学生をしている子どもがいたり。

いろいろ抱えている者同士が寄り添って助け合うことで幸せになれるのだと思います。大変なときにそばにいてくれる異性がいることは心強く、嬉しいものです。同性では埋められない何かがあるのでしょう。

茜会は成婚料をいただいていません。現代の中高年には入籍だけが幸せとは言えないからです。入籍を急がず、まずはじっくり付き合いたいカップルもいます。事実婚などの結婚にとらわれないパートナーシップでも良いのです。

相手のマイナス面を受けとめることで出会いが広がる――。立松さんの言葉が胸に響いた。高齢、まずい容姿、低い給料、少ない貯金、不安定な職業、持病、老親、連れ子、田舎暮らしなどの要素は、世間的には結婚にマイナスだと思われがちだ。しかし、自分は意外と平気でむしろ面白いと思える要素も必ずある。例えば、「自分は祖父母に育てられたのでお年寄りはむしろ好き。尊敬できる家族であれば、老親との同居でもかまわない」という人もいるだろう。世間とのズレが豊かな出会いに通じている。

立松さんによれば、パーティなどのイベントでもモテる女性は決まっているらしい。ガツガツと積極的なタイプよりも、ふんわりと優しげな雰囲気を漂わせる女性に人気が集中するのだ。「したたかな女のソトヅラにだまされている男」とバカにするのは簡単だ。しかし、「自分には欠点がある。結婚できないかもしれない。でも、この女性ならば切り捨てずに受容してくれそうだ」という男性の切ない願望の表れでもある。

自分は結婚相手に何を求めていて、どんなマイナス面ならば受け入れられるのか。肩の力を抜いて言葉にできたとき、予想もしなかった相手と結ばれるかもしれない。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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