【上越市】松茸尽くしで料亭ランチデビュー!非日常感と旬を味わうご褒美時間、紅葉の隠れスポットも!
雁木が並ぶ地域に住むライターのかどまるです。
ようやく気温が下がってきて秋の気配を感じられるようになった今日この頃、いよいよ食欲の秋の季節がやってきます。秋の味覚といえば新潟県民として新米を推さずにはいられませんが、味覚の王様といえば松茸。華やかな香りと旨味、食感はこの時期の贅沢の極みです。
なんとその松茸をふんだんに使ったランチを『百年料亭 宇喜世』さんで提供していると聞いてやって来たかどまる。ランチは普段11:30から14:00まで。早速お邪魔してみましょう。
繁華街にたたずむ高田文化の中心地「宇喜世」。料亭は敷居が高い?実は料亭初心者に優しいお店!
えちごトキめき鉄道の高田駅から徒歩10分、繁華街の仲町に百年料亭 宇喜世さんがあります。門と本館は国の有形登録文化財に指定されており、高田の文化の贅と粋を目でも楽しめるので観光地としても人気があります。かどまるがお邪魔した日も地元の方と観光客が半々、といった感じでした。男性の姿も見られますね、ビジネスマンの利用も多いそう。
そして『料亭』というと何やら敷居が高いイメージがありますが…
ここ宇喜世さんはホームぺージ等で価格が分かりやすく表示されているのと、予約不要のランチを行っているので料亭初心者でも入りやすいのが嬉しい。お1人様や外国人観光客も多いそうですよ。
ここで料亭のノウハウを少し体験しておくと、今後こういう場所へ行く機会に堂々としていられるかもしれません。
着物姿の仲居さんに案内され入っていくと下足箱がズラリ。
そう、和食を提供するお店は『御食事処』『割烹』『居酒屋』等呼び名は様々ありますが、ここ料亭では靴を脱ぐのが基本です。知っててよかった!
ちなみにランチを始めた当初は「何を着ていけばいいですか?」というドレスコードの問い合わせもあったそう。仲居さんは「何でもいいんですよ~」と優しいですが、せっかくの機会ならちょっといい格好をして行きたくなりますね!
そして玄関の正面の赤い橋。この橋、実は儀明川に架けられている「歓喜橋」と同じ名前で昔は芸者さんがお座敷に上がる際に縁起担ぎとして儀明川のほうとこの橋、2つの歓喜橋を渡ったそう。さすが高田文化の中心地、歴史があちこちに感じられます。
2階へ続く大きな階段。
2階には大広間、3階と4階は少人数の小座敷があります。この日は他にお客様がいらっしゃったので見学はまた今度のお楽しみにすることにしました。
着物姿の中居さんに案内され、早速ランチの会場へお邪魔します。
こちらが本日のランチ会場。3~4人席が5つ、窓際は1~2人席が4つあります。
仲居さんによると宇喜世のランチは予約があるか無いかに分かれます。「予約あり」の場合は前日までに申し込みが必要で、素敵な個室を利用することができます。
予約をしていない場合はこういったふうにその日使用できるお部屋になり、その日の予約状況で開催される部屋が違います。館内が予約でいっぱいの日は予約無しのランチはお休みになるので来店前にホームページやお電話で確認をするのがお勧めです。
スタッフさんによると、
「通常は個室を利用する際は室料を別途頂戴しますが、ランチの内容によっては室料がかからずお得なものもあるのでご希望の際はお早めにお問合せください」だそうです。
せっかくなので窓際のお庭が見える席にしました。
直前の雨でしっとりとして、緑と岩の美しい風景が目の前に広がります。
早速メニューも拝見しましょう。
気になる料亭ランチメニューはこちら!旬の食材に板前さんのお勧め、名物の鰻もありますよ!
こちらが秋のランチメニュー。
『高田ひめ御膳』は喫茶と甘味がついているものとついていないもので2種類、『本日のおまかせ御膳』はその日によって内容が違うそう。そして噂の『松茸御膳』には釜飯に土瓶蒸し、茶わん蒸しと天婦羅にも松茸が。
こちらは『百年料亭 特選ランチ』の数々。先ほど教えてもらった、前日まで予約すれば室料無しで個室も楽しめる種類です。
宇喜世さんといえば鰻が名物なので悩みます…『名物 うなぎ御膳』も美味しそう。
そしてランチタイム用のドリンクメニューはこちら。ノンアルコール類も充実していますね。
迷いましたがここはやはり松茸御膳でいきましょう!
食後の喫茶はコーヒーか紅茶、緑茶が選べます。コーヒー好きのかどまるはコーヒーの一択ですが、噂で聞いたことがあるのです。宇喜世さんは食後のコーヒーも大変美味しいと。
松茸の釜飯が炊き上がるのを暖かいお茶をいただきながら待ちます。
大体15分ほどで炊き上がるそうですが、お庭を眺めているこの時間が大変ゆったりとして非日常感を満喫することができました。外は雨ですが、ここだけ別世界のようです。
生憎のお天気なのに窓際席は満席、いつの間にかテーブル席にもお客様が集まってきました。さすがランチ通の皆さん、いいお店を知っているのだなあ。
しばらくするとふわりと松茸の香り。どうやら炊けたようですよ!
炊き立てほかほか!旬の松茸あれこれを味わい尽くす「松茸御膳」
「お待たせしました」と仲居さんが運んできてくれたのは、画面に入り切れないほどの半月盆にのせたお料理とほかほかの釜飯。すごく良い香りで他のお客様の視線もいただきました!
ご覧ください、松茸がたっぷり!上品でかぐわしい香りにほんのりお焦げも香ばしい。
上から松茸の土瓶蒸しに松茸と季節の天婦羅。手前の横長の器には左からニシンと薬味の柚子味噌和え、みずの実という山菜のお浸しにえご。右手にはひじきの小鉢に松茸の茶わん蒸し、お漬物。熱いうちに早速いただきましょう。まずはメインの釜飯から。お醤油の香ばしい香りが食欲をそそります。
ご褒美なひと口をぱくり。口に入れると更に香りと風味は増し、松茸とお出汁の美味しさを吸い込んだもちもちご飯、そして松茸のしゃきっとした食感がひと口、更にもうひと口とご飯を食べる手が止まりません。久しぶりの松茸ご飯、とっても美味しい!
秋の味覚の王様をしっかり噛みしめて幸せに浸ります。
お次はどんと松茸がのった茶わん蒸し。しっとりぷるぷるの卵とお出汁の旨味、松茸の食感がシンプル故にダイレクトに伝わってきます。なめらかでとろける柔らかさが口の中で広がってとても美味しい。茶わん蒸し好きな方には是非試して欲しい逸品です。
天婦羅も冷めないうちにお塩をつけていただきます。
贅沢に2つ一緒に食べちゃいましょう。釜飯や茶わん蒸しと違って天婦羅になると食感が更に増すのですね。コリコリっとして面白い。
そうそう、秋は茄子も美味しい季節。上越は夏は十全茄子や上越野菜の丸えんぴつ茄子が有名ですが、秋茄子も大変美味しいのです。茄子の天婦羅、嬉しい!
ここで気分を変えて手前のお料理もいただきましょう。
中央の『みずの実』ご存知ですか?コリっとして少し粘り気もある、食感が面白くて珍しい山菜です。
右はニシンと胡瓜、薬味の柚子味噌和え。なめろうのようでお酒が欲しくなりますが、それはまた今度のお楽しみ。
左の寄せ物は昔おばあちゃんの家でよく食べていたえご、懐かしいなあ。ご存知ですか?海藻を煮溶かして固めたもので、酢味噌や辛子味噌でいただく新潟の郷土食です。プルンとして柔らかく、上品なお味はさすが料亭。久しぶりに食べることができました。
温かい土瓶蒸しも忘れていませんよ。勿論松茸もご覧の通り。
土瓶蒸しは大好きですがなかなか家庭では作る機会がありませんから、この時期ならではのご馳走のひとつです。
松茸の他には丁寧に骨を切った鱧の身が入っていて、ほろりとして柔らかくとても美味しかったです。
具材を存分に味わったら付属のすだちを軽く絞って、お出汁をいただきます。
ああ、美味しいなあ。
上品なお味が体全来に染みわたり、お腹がいっぱい大満足です。松茸をこんなにたくさん、しかも様々な味わい方で楽しめるなんて贅沢なお食事ですね。
お料理の1つ1つが丁寧でさすが歴史ある料亭のお料理だなあと思いました。
いつの間にか雨も静かになって、目の前の庭園が満足感に緑の潤いを添えます。
ご存知でした?宇喜世は料亭なのに食後のコーヒーが美味しい!あんことチョコレートの『あんショコラ』と相性抜群です
食事の後のお楽しみ、コーヒーと甘味「あんショコラ」。
あんショコラは宇喜世の隣、以前かどまるの記事にも登場した『多賀茶焙煎所』の『あん味堂』さんのもの。実は宇喜世さんでも食べることができます。
あんことチョコレートって不思議な組み合わせのように見えますが、これが意外と癖になる愛称でとても合うのです。
30年熟成させた黒みりんでレーズンを風味付けるなんて、シンプルな見た目に反して何というクリエイティブで丁寧な作業なのでしょう。
早速ひと口。チョコレートの風味の後からくる、しっとりとしてなめらかなこしあん。
みりんの甘さでしょうか、しっかり甘さがあるのにしつこくなく、優しく口に残ります。
これはコーヒー好きにはたまらない、コーヒーが欲しくなる甘味ですね。
宇喜世さんの噂のコーヒーもいただきます。高田で好まれる、しっかり深煎りしたお味で酸味は少なめ、甘味と相性抜群です。有機栽培された豆を使っているそうなので「料亭なのにコーヒーが美味しい」という話にも納得しました。
…あれ?
隣のお客さんとカップが違う??
そう、宇喜世さんのカップは作家さんの作品をいつも使っており一部のものを除いては同じものが無く、食後に仲居さんがお客様に合わせて1つ1つ選んでいます。
かどまるに選んでくれた器はよく見るとオオバコの葉っぱが描かれていて、ソーサー全体も素敵な作品でした。これは焼き物が好きな方には嬉しいサービスですね。
利用客なら館内を案内してもらうこともできます!知る人ぞ知る紅葉の名所は2階の個室「月の間」!
建物全体が見どころ多い宇喜世ですが、利用客なら館内の他の部屋を見ることもできます。
ですが利用中の方がいるお部屋もありますので、スタッフさんが誘導とお部屋の意匠について説明をしてくれます。見学を希望する場合は必ずスタッフさんに声をかけてその日の状況を聞いてください。全部回ると30~40分以上かかるそうで見応えありますね。
かどまるがお邪魔した日は利用客が多く見学できませんでしたが、これからの季節に見どころとなるお部屋を教えてもらいました!
これから気温が下がってきて秋が深まると紅葉の季節になりますが、特に観光客に大人気なのが2階の個室「月の間」から見える風景。実は紅葉の隠れた名所なのです。
おお、これは見事な紅葉!2階のお部屋なのでちょうど目前に紅葉を楽しむことができるようになっています。
「今年の紅葉の色づき具合はどうですか?」と遠方から問い合わせて、わざわざ月の間を指定して予約する方もいるのだとか。
それほどに惹きつけられる秋の様子はこちら。
青紅葉も美しいですが、赤く色づくと圧巻です!
しかも葉っぱが小さめなので色のグラデーションが細かい。こんな素敵な紅葉を見ながら食事ができるなんて、なんという贅沢でしょう。
秋が深まった頃にまたお邪魔しなければなりませんね。
お店の敷地内といえ、まだまだ高田には知らない名所があるのだなあと思いました…。
これからの季節は大変人気があるお部屋だそうですので、興味がある方は是非お問合せください。
会食にご褒美に。非日常での贅を味わえる「宇喜世」
いかがでしたでしょうか。今回は旬の食材の松茸と高田文化の粋が味わえる宇喜世さんについてご紹介しました。人の流れもかなり増え、この先の季節はますます賑わうであろう宇喜世さん。
1つ1つのお料理の丁寧さと建物の雰囲気はさすが地域の名士たちから贔屓にされてきた老舗のこだわりだなあと思いました。
家族との食事や友達同士の食事会だけでなく普段のご褒美に、高田の贅を味わい尽くす「百年料亭 宇喜世」さんで皆さんも素敵な時間を過ごしませんか?
ホームページの問い合わせフォームやお電話で対応してくれますので、皆さんもどうぞ宇喜世さんで美味しい時間に浸ってくださいね。