【実例付】この春こそ任意加入に!「PTA入会申込書」はこう作る
「この春こそはPTAに入会申込書(加入届)を整備したい」と考えている会長さんや役員さんが増えているようです。でも、いざ申込書をつくろうとすると、どんな記入項目が必要かわからなくて困っている、という声もよく聞きます。
そこで今回、実際に配られている(または配付予定の)申込書の実例をご紹介しながら、注意点を確認していきたいと思います。
主な記入項目は5つ
PTAの入会申込書は、多くの場合、新1年生の保護者に配布されます(2年生以上の在校生保護者には「継続届」を配布)。
記入するのは、ざっと以下のような項目です。
(1)入会する保護者や教職員の氏名
(2)連絡先(メールアドレス、電話番号)
(3)(保護者のみ)子どもの氏名・学年と組
(4)(保護者のみ)同じ学校に在籍するきょうだいの氏名・学年と組
(5)(委託の場合)PTA会費の徴収を学校に委託することへの同意、または説明
さっそく実例を見てみましょう。以下に紹介する入会申込書は、それぞれのPTAのホームページで公開されているものや、ツイッターでの筆者の呼びかけに応じて送ってもらったものの一部です。
〇都内公立A中学校PTA
- (特徴)会費徴収委託の同意チェック欄があります
〇名古屋市立吹上小学校PTA(同PTAライブラリーより)
- (特徴)会費徴収委託と個人情報の取扱いに関する同意を前提に提出してもらう形。保護者だけでなく教職員にも対応
〇関東地方公立B小学校PTA
- (特徴)「主に活動する方」の氏名が2名まで書き込めます
〇関東地方の公立C小学校
- (特徴)シンプルでわかりやすい申込書です
〇近畿地方公立中学校PTA
- (特徴)(数年前のもので、現在はさらに改良されているようです)
ほかに入手したものも、これらと大体同様の内容でした。
なお連絡先は、電話番号とメールアドレスを記入するものが多いようです。個人情報は多くもつほど管理のリスクが高まるので、記入してもらう項目は必要最小限にとどめましょう。
紙(申込書)で収集した個人情報をデータ化する(パソコンに入力する)場合は、情報にアクセスできる人を極力限定するなど、取り扱いに十分注意する必要があります(持ち出しはしない)。
入会申込(会員登録)を最初からネット上で行ってもらう方法もあります。都内公立A中学校PTAでは、紙で申込書を配るほかに、Googleフォームからも会員登録できる仕組みを検討中だということです(データにアクセスできるのは2名の役員に限定)。
【こちら】は、そのサンプルフォームです。送信しても実際に登録はされませんので、ご自由に試してみてください。
目的は意思を尊重すること
これまで繰り返しお伝えしてきた通り、自動強制加入はPTAの最大の問題点のひとつであり(PTAが学校と一体のものと錯誤させる)、入会申込書の整備は自動強制加入をやめるうえで欠かせない第一歩です。
しかしなかには残念ながら、申込書を整備したにもかかわらず、保護者の意思を尊重せず、強制加入を堅持しようとする例もまれに見られます。
今回筆者のもとに寄せられた申込書の一部には、説明書きに「必ず提出してください」「すべての世帯にご入会いただいております」などと書かれていたほか、「PTA会長が口頭で『すべての保護者に加入してもらいます』と説明した」といった話を聞くこともあります。
このようなやり方では不信感を招き、PTAに入ろうと思っていた人まで入るのをやめてしまうのではないでしょうか。
加入届を配るのは、PTAは学校と別団体であることを明らかにし、且つ保護者や会員の意思を確認し、その選択を尊重するためです。目的を見誤らないようにされたいものです。