大阪・伊丹空港、長年使われてきたパタパタ式の到着案内板があるレトロな到着ロビーが役目を終えた
4月17日の夕方、筆者は大阪国際空港(以下 伊丹空港)に羽田空港から降り立った。従来、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)は異なる到着口を利用していたが、翌日の4月18日からは到着ロビーが中央エリアに集約される。最後に、レトロさも感じることができるJAL側の到着ロビーを使うべく、JAL便を利用して伊丹空港に入った。
約50年ぶりの大規模改修
ANAの到着ロビーは、1階のチェックインカウンターの端にあり、到着ロビーの前には豚まんで有名な「551蓬莱」があるなど、明るくて綺麗な到着ロビーであったのに対し、JALの到着ロビーはチェックインカウンターとは異なる場所にある。筆者の記憶の限りでは30年以上変化がなく、伊丹空港に到着したことを強く実感させてくれる空間だった。
今回の大規模改修は約50年ぶりだそうだ。最終的には2020年に全面改修になるが、先行して到着ロビーがリニューアルされた。
パタパタ回転する到着案内版も最後の日になった
JAL側の到着ロビーは、薄暗い感じの到着ロビーでパタパタ式の到着案内板の前には出迎え客を待つ人の為の椅子があり、昔からあるカフェ「英國屋」、そして小さな売店「スカイコンビニ」がある。
筆者は18時前に到着したが、この日で閉店という案内が無性に寂しく感じた。また、パタパタ回転する到着案内板もこの日が最後であり、最後の姿を自分の目に焼きつけてきた。
改めてになるが、伊丹空港のJAL側の到着ロビー(JAL、日本エアコミューター、天草エアラインが使用)は、タイムスリップしたレトロな空間だった。到着ロビー内だけでなく、到着ロビーの外に出ても伊丹空港らしい空間であった。
大阪市内などへ向かうリムジンバスの券売機があり、筆者は次のバスが何時に発車で、所要時間を見ながら、渋滞しているようであれば大阪モノレールにするか考える場所だった。また、到着ロビーのすぐ前がタクシー乗り場とハイヤー乗り場があるが、到着ロビーから至近距離であり、いつも高級ハイヤーが止まっていて、幼い時はどんな人がこの車に乗るのだろうかと思ったこともあった。この到着ロビーでの思い出がある人もきっと多いことだろう。最終便が到着した21時頃に静かに最後の役目を終えた。
新しい到着ロビーは新空港のように綺麗で開放的な空間に
そして翌朝(4月18日)、新しい到着ロビーが2階の中央エリアにオープンし、全ての到着便が同じ出口になった。到着案内板は全て電光掲示板での表示となり、透明の窓になっているので手荷物受け取り場も見渡せるようになっているなど開放的な空間となった。新しい空港に来たかのような雰囲気で、以前のレトロな空間からは一変した感じだ。
2階の中央エリアが到着口になったことで、大阪モノレールへ乗り換えが便利になった。実際に歩いてみたが、到着ロビーを出てまっすぐ進み、連絡デッキを通って2~3分で大阪モノレールの大阪空港駅の改札口に到着することができた。段差が少なくなったのでキャリーバックなどを持っている時にはかなり楽になった。
また4月18日以降、大阪市内などへ向かうリムジンバスは従来、南ターミナル(ANA)、北ターミナル(JAL)の2箇所から発車していたが、中央1ヶ所からの乗車に変更された。タクシー乗り場についても1ヶ所に集約された。逆に伊丹空港着のリムジンバスは、ANA側・JAL側それぞれに降車場が出来たことで、以前に比べると歩く距離が短くなった。
レストランやお土産店も新たにオープン
今回、到着ロビーがある2階の中央エリアには新しくレストランも数多くオープンした。豚まんの「551蓬莱」もANA到着ロビー前から新しい到着ロビー前に移転した。そして日本一の朝食に輝いたホテル・スイート神戸ハーバーランド直営のベーカリーショップ「ル・パン神戸北野」などの注目店もオープンした。
更にお土産を買うことができるお店も増えるなど、伊丹空港のレストラン・ショップ共により充実し、展望デッキもリニューアルされるなど、飛行機に乗らなくても1日楽しめるレジャースポットになった。
ゴールデンウイーク、新しくなった伊丹空港探検に出かけてみるのもいいだろう。