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【英会話】You Tube pays good money と言ったら微妙な顔された。なんで?

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 20年ほど仕事で英語を話していますが、直観的にイメージから英語が話せるようになっても、困るときがあります。イメージから英語を作ってはいるんですが、文化的な違いでちょっとズレが生じるんです。それが、普段あまり使わない言い回しだと出てきちゃう。

 そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むと自然な英語を得られるお得なエッセイです。

You Tube がいい金額くれるみたいだよ

 今は私の業務は基本的にマネージメントになっていますが、生意気にも英語・英会話のレッスンを提供することもさせていただいています。いわゆる講師というやつでして、生徒様から「先生」と呼ばれたりして、ちょっと恥ずかしい。人様に、ああしろ、こうしろ、って言うのが嫌いなんです。先生に向いてない。そんな男が「講師」ですから、不思議なものです。

 でも、まぁ、それなりに満足して信頼はしていただけているようでして、レッスンの合い間に、いろんな相談をされたりします。恋愛相談や、仕事場の人間関係の相談が多いですが、最近相談されたのは、副業に関する相談。
 副業を始めたいって話じゃなくて、You Tube の配信をやってるんだけど、ちょっとウケちゃって、どんどん新しい動画をあげなくちゃいけない、いや、あげなくてもいいんだけど、あげないと不安になる。それで、動画づくりで最近寝てない。いっそのこと本業を辞めちゃおうかと思うけど、それはそれは不安で。
 という相談です。ちょっと聞くと贅沢な相談ですが、You Tube の配信なんて世間様に気に入られてなんぼの商売ですからね、いつ人気が落ちるかと、不安になるのも判る。でも、躰を壊しては元も子もないですから、心配しながら話をうかがっていたら、本人の中で何か気づくことがあったみたいで、10月末までは続けようという結論に落ち着きました。

 え? なにかアドヴァイス的なものをしたのか ですか? いえいえ、滅相(めっそう)もない。ああしろ、こうしろ、って言うのが嫌いですからね、ただ、じっくり話を伺っていただけです。でも、こういうのが一番いいのかもとも思ったりする。ちょっと表情が明るくなっておられましたから。

 そんな話を、English man のRichに情報共有したんですが(Richはその受講生の講師でもあります)、聞くと即座に、愉しめないならやめるべきだ と断言されました。寝る時間を削ってまで動画作成ってのが信じられない。なんで、やめないのかねぇ~ と不思議そうに訊(き)かれたので、その受講生が、You Tube がいい額をくれるんです と言っていたのを、思い出してこう伝える。

You Tube pays good money.

 そしたら、Richちょっと微妙な顔。
 みなさん、この英語、どこが微妙なのか気づかれるでしょうか? 

 ポイントは、You Tube が主語になっているところです。私はYou Tube というプラットフォームから、お金をもらうってイメージを持ってたんで、You Tube が支払う という言い回しで大丈夫だと思ったんですが、これ、Native English Speakerにとってはしっくりこないことなんですね。彼らにとっては、そういうプラットフォームを利用して、自分がお金を稼いでいる、作っている というのがしっくりくるイメージなんです。お上(かみ)からもらうイメージは全然ない。
 いやはや、Native English Speakerの世界は、人は対等というのは知っていましたが、法人に対しても対等なんです。

 天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず、そして、法人も作らずですね。

 と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。

 あっと、いいお金をもらう(このもらうって単語が曲者ですね)をどう表現すると自然かを書いてませんでした。

She makes good money from You Tube.

 You Tube から良いお金を作る とは、なかなか思いつかない。参考にしてください。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ英文法をマスターし、学芸大附属・ICU高校・早稲田高等学院・慶応高校・渋谷幕張・早稲田大学・慶応大学など有名高校・大学に多くの生徒を合格させる。その実績を買われ、英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職。担当した1600名の受講生のVERSANTのスコアの平均伸長点は5.3を超え、3か月の最高伸長点は21を記録する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentに就任し、受講生の英会話力向上に尽力し、業績を伸ばす。現在は独立し、英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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