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全勝同士が潰し合うWBAライト級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Esther Lin/SHOWTIME

 2021年12月5日、パウンド・フォー・パウンドでも上位に名が挙がる3階級制覇王者のジャーボンテイ・デービスが、WBAライト級タイトルの防衛戦として、14戦全勝12KOの同1位、ローランド・ロメロの挑戦を受けることになっていた。デービスvs.ロメロという26歳の全勝同士の対決は、言うまでもなく注目を集めた。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20211024-00264478

 が、ロメロから性的暴行を受けたと主張する女性が現れ、ネバダ州ヘンダーソン警察が本格的な捜査を始めたことから、無敗のチャレンジャーはリングに上がれなくなる。

(C)Esther Lin/SHOWTIME
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 その後、ヘンダーソン警察がロメロの潔白を証明。ロメロは晴れてリングに戻れることとなった。そして、デービスとの対戦が5月28日にリセットされた。当初の予定通り、SHOWTIMEのPPVで放送される。

12/5のデービスvsクルス戦   (C)Esther Lin / SHOWTIME
12/5のデービスvsクルス戦   (C)Esther Lin / SHOWTIME

 12月5日、デービスはロメロの代役、イサック・クルスと対峙し、判定勝利を収めたものの、いつもの爆発力は影を潜めていた。クルスの善戦が光った一戦だった。

 ロメロは現在、自身のキャリアで最も大きなファイトに向け、調整中だ。思わぬ災難に見舞われ、2021年7月17日以来のリングとなる指名挑戦者と、昨年12月に一つ白星を加え、戦績を26戦全勝24KOとした王者。

 見逃せない一戦である。

(C)Esther Lin/SHOWTIME
(C)Esther Lin/SHOWTIME

 両者とプロモート契約を結ぶのはフロイド・メイウェザー・ジュニアだ。ロメロが胸の閊を下し、スターダムに躍り出るか、あるいはデービスがチャンピオンの貫録を見せつけるか。今から11週間後が楽しみだ。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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