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【富田林市】さっそく乗ってきましたよ!彼方上地区の地域公共交通「上セブン号」の実証運行開始。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

伏見堂、横山、嬉(うれし)と言った集落のある富田林の彼方上(おちかたかみ)地区は、田園地帯が広がるのどかな雰囲気がする場所。なので散歩には最適ですが、バスなどの公共交通が無いので、その場所まで行こうとすると、結構歩く必要があります。

また主に高齢者を中心とした地域住民の日常生活等における移動が不便であったり、地域への観光客等の移動の問題を解決させる必要がありました。

そこで11月1日から12月28日までの期間、彼方上地区にて地域公共交通の実証運行を行うことになりました。

この実証実験では、上セブン(かみせぶん)号という名前の乗客4人乗りの中型タクシーが公共交通として運行されます。そこで公共交通派の私は、さっそく昨日の午前中に実際に乗ってみました。果たしてどのようなものだったのかご紹介しましょう。

上セブン号は定時定路線型(時刻表に定められた時間で停留所より乗車する乗合のバスやタクシー)で運行され、中学生以上の大人が300円、小学生の小児が150円です。(大人同伴の幼児が無料、一部の障がい者割引があります)

走行ルートは、主に伏見堂と横山地区を走る北ルートの左回りと右回り、それから嬉地区を往復する南ルート。1台の乗り合いタクシーが、1時間で3つのルートを一周するようなダイヤで運行しています。

ということで、近鉄汐ノ宮駅に到着しました。ここは河内長野市内になりますが、富田林市の彼方上地区に行くための最寄り駅です。

今までは、ここから歩いて石川を渡って各地域に行っていました。

汐ノ宮駅の駅前の広場になっている場所の線路寄りに、上セブン号の停留所があります。

出来たばかりの停留所はビニールで覆われていますね。

停留所には、ルートと時刻表が付いています。

ちょうど私が着いた時、上セブン号は汐ノ宮駅から北ルートの右回りの発車時間まで待機しているところでした。そこで右回りを使って、まず青山台公園前まで行くことにしました。

タクシーですが、ドアにはこのように「上セブン号」と明記されています。

座席はこんな様子です。運転席の後ろのシートに3人、あとひとりは助手席の定員4人です。人数が多い時には、後から応援のタクシーが来る、あるいは5人以上なら前日までの予約が必要といったルールがありますが、今回は2名で利用したので予約なしに乗り込みました。

少し運転手さんとお話をしたのですが、タクシーの営業とは勝手が違うこともあるそうです。特に同じコースを回らないと行けないとか、停留所で時間調整をする必要があることなどです。

今回の実証運行は、道路運送法第21条第2号に定める許可(一般乗合旅客自動車運送事業者以外の事業者で、一時的に地域及び期間を限定して運行する国土交通大臣の許可)を受けて運行されるものなので、そのあたりが厳密に適用されるわけですね。

実証運行ということで、利用調査のアンケートを書いてくださいと言われました。

お金を払いました。ふたりで乗ったので600円です。これは乗車の際に払うことになっていますが、状況によっては後払いもできるようです。

出発の時間になったので、上セブン号が動き始めました。いつも汐ノ宮駅から彼方上地区に行くときにはそのまままっすぐ東方向に行きますが、今回は北側に向かって上セブン号が走ります。

初めて通る道なので、当然ながら初めて見る建物もありますね。

やがて進路が東側に変わりました。

石川を渡ります。こちらは伏見堂大橋です。

彼方上地域に入りました。

こちらは西野々古墳群です。

最初の停留所は、伏見堂公民館前です。よく見ると右側に停留所が見えます。

こちらは伏見堂老人憩いの家の隣にある伏見堂ふれあい広場ですね。

伏見堂から横山方面、南方向に車が動きます。車窓からは稲刈りが終わったばかりの田んぼが続きます。

あとでも触れますが、このすぐ近くに次の停留所、横山自治会館前があります。

ここから進路を東に変えて、坂を上っていきます。

途中、民家があるところを細い道を通るのですが、タクシーのように家の前に到着したとしてもそこで降りることができません。あくまでバスのような位置づけで乗り合いタクシーが走るので、指定された停留所まで乗る必要があります。

「レインボーバスだとこういう細い道は走れないでしょうね」と運転手さん。車体はあくまでタクシーだからこそ、住宅地の細い道が走れるということですね。

こうして青山台公園前に到着したのでタクシーを降ります。

目の前には停留所がありました。

青山台公園(青山台遊園)です。本当はこの辺りを探索してもおもしろいのですが、今回はあくまで上セブン号の体験乗車なので、ここから歩いて下ります。

青山台公園近くからの風景です。アメニティ長野の高層マンションが見えますが、このあたりは結構な高台に住宅地があります。車でない人はここまでの坂道を登らないといけないと考えると確かに大変。

そのために今回のような公共交通が必要なんですね。当たり前ですがここまで本当に快適に来ることが出来ました。

画像だと少しわかりにくいかもしれませんが、この坂道は結構な勾配がありました。ということで下っていきましたが、逆の登り方向だとかなりきついかもと思いました。

細い道が入り組んでいるところを下っていきます。

下まで降りました。こちらが先ほど紹介できなかった横山自治会館前の停留所です。

その停留所の奥には見たことのあるお店、以前紹介したことのある豆小屋さんです。

さて、先ほどの上セブン号はいったん汐ノ宮駅に戻り、今度は南ルートを往復します。せっかくなので南ルートも少しだけ乗車しようということで、サンロード汐ノ宮前の停留所まで歩きました。

こちらに停留所があります。実は道を隔てた反対方向にも停留所があります。この停留所は南側の嬉桜ヶ丘自治会館方面に向かう際に待つところで、汐ノ宮駅に戻る際には反対方向の停留所で待たないといけないわけだったのですが、、、。

さて先ほどの上セブン号が戻ってきました。

運転手さんは、反対方向の停留所に立っていた私に気づいてくださって、停まってくれました。再び乗車し、料金を支払います。こちらは石川に架かる千代田橋。汐ノ宮駅からいつもこの橋を渡って彼方上地区に向かっていました。

2回目の乗車時には、既に別のお客様が乗っていました。その人は普段は車で移動するそうですが、将来のことを考えて公共交通で富田林駅方面の病院に行くために、試し利用したとのこと。

高齢者の場合はいずれ免許の返納問題もあり、そうなったときに車の運転に代わる移動方法としてこういう公共交通が必要になるわけです。

さて汐ノ宮駅に戻ってきました。

ということで、南ルートは少しだけの乗車となりましたが、上セブン号に実際に乗ってみました。最初にも触れましたが、同じ運転手さんの一台の車が巡回しています。

ちなみに南ルートは最終的に嬉桜ヶ丘自治会館との往復をしますが、嬉桜ヶ丘はちょうど近鉄電車の車窓から見える高台にある住宅地です。

あそこまで歩いて上り下りするのは、よほど足を鍛えている人でないとなかなか大変ですね。

ということで、12月下旬まで2か月弱の実証実験が行われている上セブン号を紹介しました。採算面などの問題もあり、実際に公共交通として採用されるかどうかはこの実証期間にかかっています。

伏見堂、横山、嬉といった彼方上地区の住民とか富田林市民といった縛りもなく、誰でも乗れますから、せっかくの機会に乗車体験してみてはいかがでしょうか?

たとえば願昭寺腰神神社金胎寺山登山口西野々古墳群に行くときに利用できます。考えてみれば、彼方上地区はこのような観光名所がいくつもあるので、この地区の住民でなくてもとても便利です。こちら左側のポスターの「かかしフェスティバル」に行かれる時もぜひ。

上セブン号 汐ノ宮駅 駅前停留所
住所:大阪府河内長野市汐ノ宮町1
アクセス:近鉄汐ノ宮駅からすぐ

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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