"最強寒波"の大雪ピーク!国土交通省の「緊急発表」とは?広範囲で交通影響など警戒:気象予報士解説
9日~10日にかけては今回の"最強寒波"による大雪がピークを迎え、日本海側を中心にすでに平年の2倍前後の雪が積もっているところへ、追い打ちをかけるように積雪が増え続けそうです。
広範囲で通行止めなど交通への影響のおそれがある中、国土交通省は気象庁と合同で8日に会見し、「大雪に対する緊急発表」を出しています。
「緊急発表」とは何なのか?何に警戒すればよいのか??気象予報士が解説します。
「平地で雪」の寒気すっぽり、各地で積雪急増
9日も冬型の気圧配置が続き、「平地で雪」の目安となる上空1500m付近マイナス6度以下の寒気は、本州~四国・九州をすっぽり覆い続ける見通しです。
特に、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)と呼ばれる、活発な雲の帯が断続的に流れ込む北陸や岐阜、日本海の新たな低気圧が近づく東北、そして前日よりも一段階強い寒気が流れ込む北海道で、除雪が追いつかないほどの大雪となるおそれがあります。
湿った重たい雪となる地域が多く、停電への備えも必要です。
また西日本では、午後を中心に中国地方や九州北部で雪が強まるほか、四国の平地でも大雪の予想が出ています。
中国地方では、9日夕方までの60センチという予想は広島県の山沿いが中心ですが、10日夕方にかけては鳥取県も含めて70センチが予想されています。
国土交通省の「緊急発表」とは?
災害級の大雪や暴風雪で交通に大きな影響が出ると予想されるとき、国土交通省では会見を開いて「大雪に対する国土交通省緊急発表」というものを出します。
この「緊急発表」が出されるときは、道路の除雪が追いつかずに通行止めになったり、スリップ事故などが原因で大規模な立往生が発生することが多いため、国土交通省や気象庁が不要不急の移動をひかえるように呼び掛けたり、あるいは「予防的通行止め」(立往生が発生する前に予防として通行止めにする)が行われたりします。
今回も実際、8日夜~9日日中にかけて、新潟と福島を結ぶ磐越自動車道で予防的通行止めが行われていて、今後その範囲が広がる可能性も。
前述のように大雪が予想されている地域では、できるだけ移動を避け、やむを得ず移動する際はチェーンの装着や、万が一に備えたスコップや飲食料、カイロなどの準備をするようにしましょう。
10日は東海道新幹線にも影響のおそれ
10日(金)も北陸中心に活発な雨雲が流れ込み、能登半島など各地で集中的に雪が降るおそれがあります。また、京都や名古屋などにも雪雲が流れ込み、東海道新幹線を含め交通への影響が広がるおそれも。
今回の寒波は11日(土)になるとようやく終息に向かう見込みですが、降った雪はすぐに消えることはないので、影響が長引きそうです。
さらに12日(日)は、筆者の記事でもくり返しお伝えしているように、南岸低気圧によって東京や名古屋でも雪になる可能性があり、最新の予報に注意が必要です。
13日(月・祝)以降は天気の変化が早くなり、13日は冬型、14日(火)は一時的に高気圧に覆われるものの、15日(水)にはまた冬型となり、北日本を中心に雪の量が増えるでしょう。
※筆者のプロフィールからフォロー(リンク先の「+」のボタン)していただくと、日々の天気や防災、テレビではなかなか話せない気象予報の裏側を書いた記事を逃さず読むことができます。