【葛飾区】絶滅危機種の希少な花オニバスとアサザの一般開放、水元公園ではじまる。現在の開花状況は?
都立水元公園では7月1日(月)〜アサザとオニバスの生育地の無料一般開放が始まっています。
ここが都内で唯一の自生地であるアサザ、絶滅危惧Ⅱ類に選定され東京都の天然記念物にもなっているオニバス、どちらも希少な植物です。
一般開放が行われているのはアサザが園内の「ごんぱち池」、オニバスが「オニバス17号池、18号池」。
これらは水元大橋側から向かうと「水辺の生きもの館」をぬけてさらに東に少し進んだ場所に隣り合って存在しています。
こちらは「オニバス池」(7月5日撮影 以下同)。池全体が巨大な葉に覆われています。
巨大な葉は大きいものだと2mほどになり葉の表裏両方に棘があります。このとげとげしさがオニバスの名前の由来だそう。
池を埋めつくす葉の隙間を縫うように天に向かってポコポコと突き出ているのがオニバスの花。
まだ蕾のものが多くみられます。係員の方の話によると、今年はかなり生育状況が良いそう。通常は8月頭に全盛を迎えますが、この夏は2週間ほど育ちが早く、7月下旬にはかなり見頃になりそうだということです。
こちらがオニバスの花。現在でも十分に美しく咲くオニバスを楽しむことができます。
かつては各地でみられたというオニバスですが、水質悪化や気象条件の影響を受けやすく、この場所でもオニバスが生育しない年もあるのだとか。
今年は美しく咲く貴重なオニバスが見られて幸いです。
横から見ると花の下の部分もトゲトゲしているのがわかります。
平安時代から存在するというオニバス、枕草子にも「見た目がおそろしげなもの」として登場しているのだとか。
ハート型の小さな葉とオニバスの花。とげとげしさの中にもかわいらしさを感じます。
続いてアサザのあるごんぱち池へ。ごんぱち池はオニバス池から一旦出て、左に曲がり直進した左手にあります。
オニバス池と同じく、保護のために周囲を柵に覆われています。ごんぱち池の開放時間は午前9:00〜10:00とかなり限定的なので来園される際にはこちらを先に見るのが良いかもしれません。
アサザもオニバスと同じく以前には各地の沼や池で見られていましたが、現在都内で自生しているのはここのみだそうです。
柵の先には開放的な景色が広がっていました。暑い日でしたが水辺の景色は涼し気です。
アサザの葉はオニバスに比べるととても小さな丸い可愛らしい姿。葉の色と同化してあまり目立ちませんが、よく見ると黄色の可憐な花がたくさん咲いているのがわかります。
オニバス池ではこの希少なアサザの他、ショウジョウトンボやチョウトンボなどの姿も見られ、カメラマン達が虫たちとアサザの共演を狙って水面にカメラを向けていました。
またオニバス池、ごんぱち池の直ぐ近くには現在一面にハスが美しく咲いていて見ごたえがあります。
葛飾区の花の一大祭典、菖蒲まつりを6月に終えたばかりの水元公園ですが、引き続き多くの季節の花々に出会えます。
開放期間中は「水辺の生きもの館」にて、水生植物の特別コーナーを設置、アサザとオニバスの魅力を紹介しているそうなのでぜひそちらも合わせて楽しんでみてください。
【水元公園 「アサザ」「オニバス」生育エリア無料開放】
期間:令和6年7月1日(月)~令和6年9月1日(日)
▼アサザ
場所: ごんぱち池
時間: 9:00~10:00
▼オニバス
場所: オニバス17号池・18号池
時間: 9:00~14:30
水元公園HP
<都立水元公園>
住所:東京都葛飾区水元公園・水元猿町・東金町五、八丁目・埼玉県三郷市高洲三丁目
開園時間:常時開園
休園日:なし
アクセス:JR常磐線「金町駅」から 京成バス(戸ヶ崎操車場または西水元三丁目行き)「水元公園」下車 徒歩7分