夏の旅行 自分だけの「混まない穴場」を探す方法
関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!(記事一覧)です。
いよいよ夏、久しぶりの旅行をお考えの方も多いかと思います。かなりの混雑が見込まれますが、新型コロナ感染症もまだ心配という方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
また、知っている観光地が、熱海、箱根、有馬温泉のような人気スポットに限られ、毎回同じようなところに行くことになるという悩みも聞きます。
そこで今回は、旅番組出演歴もある、穴場ずらし旅の愛好家が、スマホで数秒、「自分だけの混まない穴場を探す方法」をお伝えします! 知名度からは想像もつかない自分だけの旅先や、人気観光地では得られない特別な経験を、簡単に手に入れることができます。
※テレビ番組の「ダーツの旅」のイメージです。
7月12日、都内某所にて午前で仕事が終わり、午後にランダムな穴場旅に向かうことにしました。実際の体験談を中心にお伝えします!
Yahoo!検索で「市町村 ランダム」で探すと、いくつかサイトが出てきます。例えば、日本の市町村をランダムに表示 - Randomee(外部サイト)では、ワンクリックで、日本の市町村がランダムに表示されます。
今回は、ランダムに表示された「千葉県 東金市」に日帰りで向かうことにします。
距離、時間、予算等の制約がある場合、例えば「最初に出てきた首都圏の都県に行く」などのルールを作ります。
都内よりも涼しい風が心地よい
電車を乗り継ぎ、生まれて初めて降り立った、東金駅(千葉県東金市)です!
東京は猛暑でしたが、首都圏にも関わらず緑が多く、海からの風が吹き抜け、想像よりも過ごしやすい気候です。
都内から約1時間。まずは、Yahoo!マップで「ラーメン」や「ランチ」を検索しますが、15時近いため中休みの店が多く断念。この方法で、過去には、あまり知られていないすごいラーメン屋さんを発見したこともあるのですが、今回はお預け。
気を取り直して、ベーカリー(パン屋さん)に向かいました。
地元のパン屋さん(ジモパン)が楽しい
ランダム穴場旅では、実は地元のパン屋さん(ジモパン)の発掘も楽しみの1つ。素朴で懐かしい味わいのお店が見つかります。今回は、木村屋ベーカリーでパンを購入。
駅前の案内板に「徳川家康が鷹狩りに来た」とあり気になった、八鶴湖(はっかくこ)の湖畔で、食べることとしました(パンは、すぐ後に紹介)。
徳川家康が感激した湖で、マツコ感動のカステラサンド!
途中、煙突を目印に、風情のある銭湯の発見などを楽しみながら、八鶴湖(はっかくこ)へ到着。かつて徳川家康が鷹狩りに来た場所です。
東金は住宅地のため、コンクリートで固められた、ため池のようなものを想像していたところ、予想外の穴場でした!
ここで木村屋ベーカリーのパンをオープン! あるようでない、ポテトサラダのパンは、りんごがアクセントの手作り。東金のキャラクターのメロンパンは、中のメロンクリームがカスタード調で絶品(個人的にはおすすめ1位)。
カステラのサンドは、「マツコの知らない世界」で、千葉県出身のマツコさんが紹介したものとのこと。マツコさん好みの、甘さたっぷりのりんごとイチゴのジャムが特徴ですが、カステラは低糖質で、半分の残すつもりが、ペロリと平らげました。
食後に散歩開始。ハスの花は、午前中しか咲きませんが、なかには咲いているものもありました!
また、湖畔にひっそりとたたずむお寺(鳳凰山本漸寺)は、墓地がメインのお寺に見えましたが、石段を上がると、荘厳な風景。徳川家康が、関ヶ原の戦いで勝った後に植えた蜜柑の木もあり、想像以上に歴史のあるお寺だったようです。
石段から、八鶴湖を見下ろすと、涼しい風が吹き上げてきました。
なお、もう1つ最福寺というお寺も発見。住職が徳川家康と対談したことがあるとのことで、家康の像がありました。
気まぐれ旅に便利なカーシェアで東金ダムへ
まだ時間が少しあり、Yahoo!マップに出てきて気になった、東金ダムへ。ランダムな穴場旅では、「Yahoo!検索」「Yahoo!マップ」そして駅前の案内板が、行き先のヒントです。
東金ダムは、クルマがないと厳しい場所ですが、ちょうど駅前のカーシェアに空車がありました。カーシェアは、レンタカーよりも気軽に利用できる、気まぐれ旅の強い味方です。
カーシェアは、都市圏が中心ですが、24時間いつでも、15分からレンタルできる便利なレンタカーです。スマホ1つで予約でき、対面での引き渡しが不要。キャンセル、時間変更、延長もしやすく、ガソリンの満タン返しの手間もありません。(以上は、タイムズカーの場合。会社によって多少異なります)
カーシェアで向かった東金ダム。無味乾燥としたコンクリートのダムを想像していましたが、想定以上に写真映え! バスケットボールに興じる、子どもたちの放ったボールが写っています。
ダムというよりは人造湖のような、のんびりした場所でした。訪ねる人は、地元の人が中心の静かな場所。
ダムの向こうの世界も少し気になるところです。行ってみたところ、田んぼや水源の森が広がり、ほぼぶどう園だけからなる、不思議な集落もありました(ぶどう園は、8月上旬から)。
筆者がこれまでに訪ねた、日帰りの旅先は、下のページにあります。
【関東日帰り】自然や田舎で癒される穴場★ずらし旅20選(とらべるじゃーな!)
1泊2日のランダム穴場旅、驚きは何倍にも!
前半は日帰り旅を紹介しましたが、夏は1泊2日で、という方も多いのではないでしょうか? 遠方に足を伸ばせば、さらに満足度の高い穴場が発見できます。
東金市への半日旅が想像以上に充実していたため、今回もランダム市町村サイトを活用し出現した、新潟県南魚沼市を訪ねてみます。
しかし、天気予報を見ると、滞在中は残念ながら雨がち。そのため、雨でも大丈夫という口コミがあった、清津峡(きよつきょう)という場所に立ち寄ることにしました。住所は十日町市ですが、南魚沼市から直線距離で約1.5キロの場所です。
旅先が曇りや雨予報となった場合は、Yahoo!で画像検索し、空の占める割合が少ない写真が多く出てきたり、曇りの写真も映えるように感じられたりする場所が、おすすめです。
清津峡に到着。かつては渓谷の急峻な崖に渡された、幅の狭い歩道を経由してたどり着く場所でしたが、事故があり残念ながら閉鎖。
その後、歩行者専用トンネルが設けられ、再度訪ねられるようになった秘境とのことです!
いよいよトンネルへ! 券売機で入場券を買い中へ進みます。
清津峡は、シャッターチャンスが止まらない!
大地の芸術祭で知られる十日町市のはずれにあるため、トンネル内も芸術作品のよう!
4つある渓谷展望所のうちの1つ。真ん中にある建物は、実は日常生活でおなじみのとある施設で、用を足しながら渓谷が見える、驚きの設計です。
展望所から、見事な柱状摂理の絶景!
トンネルの1番奥、4つ目の展望所は、一生の思い出になるこの絶景! 若い方も多く訪ねていました。また、カメラを持ったひとり旅の方も多く見かけました。
清津峡はこの絶景ですので、平日でもそれなりに人はいました。土日祝日は混雑するはずですので、朝の時間帯や、閉門間際が狙い目です。
大都市圏から「日帰りも可能な観光地」は、多くの方が、10~15時頃に行動します。安いビジネスホテルなどもうまく使い、その時間帯をうまく避けるのが、ずらし旅のコツです。
清津峡
新潟県十日町市(公式サイト)
越後湯沢駅から森宮野原行き急行バスで約25分、「清津峡入口バス停」下車し徒歩30分/クルマの場合、越後湯沢駅でレンタカー。または塩沢・石打ICを利用。いずれも30分前後。
8時30分~17時(最終受付 16時30分)
※夏季は越後湯沢駅から直通バスの運転あり(運転日注意)。12〜2月は開門時間が短縮。
※連休、お盆を中心とした繁忙期は、完全予約制です。
入場料 大人 1000円、小中学生 400円
南魚沼市(六日町駅) 静かな駅前に祭りばやしが……!?
レンタカーを返し、いよいよ本来の旅先である、南魚沼市(六日町駅)へ。
山が迫り、魚野川が流れる、風情ある町です。なぜか、遠くに祭りばやしが聞こえたような気が……。
何と、お祭りを引き当てました!
観光向けでない地域のお祭りは、ほとんど情報が流通しないのですが、ランダム穴場旅では、ときどき引き当てます。過去には、花火大会に当たったこともあります。
10円パンながら、値段は躊躇なく500円!というお店がツボにはまり購入。中はとろけるチーズで、味は良かったです。
祭りに沸く、商店街にも立ち寄りました。
昭和風の地方都市ながら、ホテルも大当たり
予約したホテル ダ・フェールイン六日町は、真新しいホテルでした。県内は、新潟市内を除き、ビジネスホテルは経年化も目立ちますので、画期的なホテルと言えます。
魚野川を望む温泉大浴場や、1人用の露天風呂もありました!
温泉は塩化物系。ビジネスホテルの温泉は、塩化物系といってもさほど効能が感じられないこともありますが、ここは湯冷めのしづらさが、はっきりわかりました。マイナーながらも名温泉地である、六日町温泉に位置するからこそでしょう。
チェックアウト時に聞くと、もとは温泉旅館だった場所を買い取り、立て直したとのことで、本格的な源泉を持っているようです。
朝食は、部屋からも見える魚野川を望む会場です。
混むといけないと思い、早めに向かいましたが、ホテルは3階建てで部屋数が少なく、非常に余裕がありました。これも、人気観光地を避けるランダム穴場旅のメリットです。
よくあるビジネスホテルの朝食に見えますが、野菜の鮮度が抜群。水が良いのか、厚揚げの煮物(右上)や、みそ汁の完成度も高いです。南魚沼の郷土料理「きりざい」(左下)もおいしいです。
何とか天候が持ち、難攻不落・坂戸城へ 待っていた景色
ホテルの部屋からの景色です。魚野川の向こうが、坂戸城跡。この城を攻めるには、まずこの川を渡らなくてはなりません。難攻不落と言われただけのことはあります!
城跡は、ふもとから山の頂上まで点在します。天気予報では雨ですが、降り始めが遅れているようで、急遽向かうことにしました。
はっきり分かる内堀の跡! ここを超えるのも大変そう。戦国時代の有力武将の北条氏も、ここ坂戸城は攻めあぐねたそうです。
まだ雨は降り始めず、途中まで登ることとしました。
ふもとから20分程度で、絶景が待っていました!
今回は天候の関係で、おおよそ2合目の眺望地点まで登りましたが、これでも十分な絶景でした。薬師尾根登山口から往復30分程度。
なお、山頂までの往復は、慣れている人で2時間程度とのこと。また、六日町駅から薬師尾根登山口までは、往復で約30分です。
地元の方によると、朝は雲海が出ることがあるとのこと。できれば日の出の時刻の30分前までには、頂上にいると良いそうです。また、地元ではトレーニング代わりに山頂まで往復(所要約2時間)する人も多く、「坂戸に登る」で会話が通じるようです。
旧三国街道沿いにある、金城酒造に立ち寄りました。冷凍庫で1時間冷やしてシャーベット状にして飲むのがおすすめという、季節限定の八海山(日本酒)を購入。
ゴルフの松山英樹選手が、米国のゴルフ大会のマスターズの前に、世界の選手に振る舞った、「純米大吟醸 八海山 雪室貯蔵三年」も置いてありました。
ランチは地元民愛用の店を発掘!
ランチは、Yahoo!検索で見つけた、地元民が愛用しているという「ぶら坊」へ。開店前から、お客さんがちらほら。
広いカウンターと、パーテーションで仕切られたテーブルがある、落ち着けるお店です。
看板メニューのグラタンとナポリタン。グラタンは、あえて生クリームやバターを生地に使わないこだわりがあり、牛乳の味が前面に出た絶品でした!
ハッカはハッカでも、ハッカ飴でない名物
帰りに塩沢駅で途中下車。今回市町村ルーレットで引き当てた「南魚沼市」は、もとは3町の合併。六日町エリアのほか、塩沢エリアもあります。
塩沢エリアは、旧三国街道沿いに街並みを復元! 全く知りませんでしたので、大変な収穫でした。次回はじっくり訪ねてみたいです。
街道沿いで試食したはっか糖は絶品。ラムネのようなお菓子で、ツンとするはっか飴とは、全く違う味わいです。暑中見舞いとして、仕事の関係先用に、104本購入しました!
ランダム穴場旅には、ガイドブックにはない出会い
以上、混雑しがちな有名観光地を避け、「自分だけの混まない穴場を探す方法」と、日帰り、1泊2日の体験談でした。
徳川家康が訪ねた湖やお寺、絶品のメロンパン、存在を知らなかった絶景の渓谷、掘り出し物の地元のお祭り、温泉の泉質が良く川を望むビジネスホテル、難攻不落な坂戸山城からの絶景、生クリームとバターを生地に使わないグラタン、はっか糖など、数えきれない収穫がありました。
これは、すでに知っている観光地を訪ねては、引き当てられなかったものです。お住いのエリアの周辺にも、隠れ名所がまだまだあるはずです。まずはYahoo!検索で「市町村 ランダム」で探すと出てくるサイトから始めてみてください!
筆者(記事一覧)がこれまでに訪ねた、1泊〜2泊の旅先は、下のページにあります。
関東周辺1泊2日 穴場★ずらし旅を実体験から20選!(とらべるじゃーな!)
関東周辺2泊3日 温泉・ずらし旅10選|モデルコース(とらべるじゃーな!)