【姫路市】Grit Litchここにあり!初個展開催。顕在意識と潜在意識の狭間で描いた作品たち
繊細にして大胆、平明でいて複雑、独特な色使いにも感服させられる。姫路市在住のアーティスト・Grit Litch (グリットリッチ)さんが2月11~19日、南八代町のギャラリーで初個展を開きます。
心の赴くままに。失敗はない
アーティスト名は、努力をし続けるという意のGritと欠陥を表すGlitchから。飽き性な自身と対極の「Grit」に近づけるように、「Glitch」は絵の学びがない自分をアートの世界では欠陥品と位置付けたことに由来します。
高校生のとき、ルーズリーフに落書きをしていたのが原点。同級生に「それ、ちょーだい」と言われ、プレゼントをしていました。画風はその頃と変わっていないそうです。
日常の合間に制作活動を。美術学校に通ったり、画家に師事したりといったことはなく、描くのは心の赴くままに。千姫の心に突き刺さったGrit Litchさんの力強い言葉は「私の絵に失敗はない」。訳を「滲んでも、汚れても、その上から消したものが作品になるので」と説明します。
紙の余白を見ながら完成へ
個展では、15年前より描きためた絵18点を含む計約30点が展示即売されます。
「コンセプトやテーマはまったくなくて。紙の余白を見ているんです。どこを残すかって」。まさしく、どんなジャンルにも属さない「Grit Litch画」だ。
千姫がシビレて、立ち尽くしたのは「白と黒と赤」。
曲線の美しさから、風にそよぐ植物を感じました。Grit Litchさんは「姫路市の自然豊かな地域で生まれ育ったので、それが表面化したのかもしれません」と話します。
10年ほど前、1年間カナダで暮らしたとき、ギャラリーを運営する画家に額装を薦められました。アドバイス通りにしたのが、こちら。
「初めて額装して、カッコ良く見えた」と言い、作品に額装マットを合わせる喜びを知ったそうです。
「ターコイズブルーのオレンジ」は部屋に飾れば、ぱっと明るくなりますね。
画材は意外にも、黒色ボールペンや水性のマーカーやサインペン、色紙やコピー用紙といったふう。電話をしながら、ラップを聞きながらの「ながら制作」。一つの作品を集中的に仕上げるのではなく、描きたいときに描くため、制作期間は年をまたぐことも。完成のタイミングは「このくらいでOK」となったら。
絵は、ウェアや靴、カップ&ソーサーにも
「絵は持ち歩けない。だから、自分が着たり履いたりできるものを」と3年前からはジャケットや靴なども手がけるように。
千姫はこの装いで、姫路城の西側・千姫の小径を歩いている姿を思い浮かべて、ウキウキ気分になりました。
靴もアート。
カップ&ソーサーやお皿もアート。実用的かつ使わないときはインテリアになります。
同じデザインでもクッション、カップ、オブジェといった材質や形によって、異なる見え方になるのも興味深いところ。
「顕在意識と潜在意識の狭間で描いていて、作品の中に自分の持っている部分が現れている。それを見ていただく怖さがあります」と吐露するGrit Litchさん。
この記事であえて言語化していない要素はまだ、たくさん。その “余白”は個展会場のギャラリーランズエンドで埋めてくださいね。
Grit Litch ART Exhibition
開催日時:2月11日(土)~19日(日)13:00~18:00 ※15日休館
※Grit Litchさん在廊日は11、19日
※入場無料
開催場所:ギャラリーランズエンド
兵庫県姫路市南八代町17-4-104 シルクヴェール南八代B1F
電話番号:079-291-2208
駐車場:あり