Yahoo!ニュース

巨人、新体制1年目で4年ぶりのV奪還。広島の夜空に阿部監督が舞う #専門家のまとめ

阿佐智ベースボールジャーナリスト
成績は不振だったが、ベテランとしてチームを引っ張った坂本勇人(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 28日、プロ野球セ・リーグの優勝が決まった。マジックの対象であった阪神が前夜に敗戦し、マジックを1にした巨人は、マツダスタジアムで広島と対戦。今月初めには首位にいながら「歴史的失速」でCS圏外の4位にまで順位を下げた広島はこの日も元気なく、5回まで1対1と競り合っていたものの、6回に巨人が主砲・岡本和とこの日スタメンマスクをかぶった小林の適時打で2点を勝ち越されると、そのままズルズルと失点を重ねた。復活なったエース菅野は8回1失点の完璧なピッチング。最後は大勢が占めて、4年ぶり39回目のセ・リーグ制覇を成し遂げた。

ココがポイント

球団2度目の2年連続Bクラス(22年・4位、23年・4位)となる不名誉な記録から頂点を奪還した。
出典:TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/9/28(土)

広島は巨人に大敗、眼前で阿部監督の胴上げを許した。(中略)最多14あった貯金から借金1、3位・DeNAと1ゲーム差となった。
出典:TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/9/28(土)

選手たちの手で現役時代の背番号と同じ、10度押し上げられた。阿部監督の目には涙が光った。
出典:配信元名 日刊スポーツ 配信日2024/9/28(土)

阪神は5点を追う九回攻撃中に球団史上初となるリーグ連覇の夢がついえた。
出典:配信元名 サンスポ 配信日2024/9/28(土)

エキスパートの補足・見解

 巨人のセ・リーグ優勝は、原辰徳監督時代の2020年以来4年ぶり。巨人のリーグ制覇が3シーズン以上空くのは2リーグ制以降では、過去7回あった。最長のブランクは、2002年から2007年と2014年から2019年の4シーズン。

 日本シリーズに進むには、クライマックスシリーズを勝ち抜く必要があるが、巨人は過去、2007年は中日の前に、2014年には阪神の前に涙をのんでいる。今年のセ・リーグのペナントレースの状況をみると、上位4チームの実力は拮抗していると言え、優勝は果たしたものの、「頂上決戦」進出にはまだまだ予断を許さない。

順当に両リーグの優勝チームがシリーズ進出となると、巨人の相手は、パ・リーグをぶっちぎりで優勝したソフトバンクとなる。ソフトバンクとは2019年から2年連続で相まみえているが、ともに4連敗を喫している。日本野球界の名門として、たとえ相手が「最強軍団」となってもこれ以上無様な敗戦を続けるわけにはいかない。

 12年ぶりの日本一に向けて、巨人軍の戦いはまだまだ続く。

ベースボールジャーナリスト

これまで、190か国を訪ね歩き、23か国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆のほか、NPB侍ジャパンのウェブサイト記事も担当した。プロからメジャーリーグ、独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌に寄稿の他、NTT東日本の20周年記念誌作成に際しては野球について担当するなどしている。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020、24カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。2024年春の侍ジャパンシリーズではヨーロッパ代表のリエゾンスタッフとして帯同した。

阿佐智の最近の記事