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本土最南端の始発・終着駅 指宿枕崎線 枕崎駅(鹿児島県枕崎市)

清水要鉄道・旅行ライター

本土最南端のローカル線、指宿枕崎線。その終点の枕崎駅は本土最南端の始発・終着駅だ。平成15(2003)年8月10日に沖縄県のゆいレールが開業するまでは日本最南端の始発・終着駅だった。

枕崎駅 駅舎
枕崎駅 駅舎

枕崎駅は昭和6(1931)年3月10日、伊集院とを結ぶ南薩鉄道(のちの鹿児島交通枕崎線)の駅として開業。昭和38(1963)年10月31日に指宿枕崎線が開業して乗り入れた。駅舎や敷地は先に開業した鹿児島交通が所有しており、国鉄の駅は片隅を間借りするような形だった。鹿児島交通枕崎線は昭和59(1984)年3月18日に廃止となり、枕崎駅は国鉄(→JR)の単独駅となったが、国鉄の駅員は配置されなかった。

旧駅跡の駅前
旧駅跡の駅前

平成18(2006)年5月1日、鹿児島交通の駅跡には再開発でスーパーマーケットが建てられることになり、これに伴って枕崎駅のホームは約100m鹿児島寄りに移転された。移転後の新駅には駅舎が建てられることなく、ホームが一本あるだけという路線の終点としてはあまりに寂しいシンプルな駅となった。旧駅の駅前に建てられていた灯台のモニュメントは駅の移転後もそのまま残され、旧駅の存在を今も伝えている。

駅舎
駅舎

移転後は7年近くに渡って駅舎のない状態が続いていたが、市民の寄付により平成25(2013)年4月15日に新駅舎は完成。同月28日より使用開始された。無人駅のため待合室のみの小さな駅舎だが、内部には山幸彦の像や観光案内などが置かれている。

ホーム
ホーム

枕崎駅を発車する列車は6時4分、7時35分、13時27分、15時54分、18時41分、20時6分の6本。このうち6時4分の始発列車に使われる車両は前夜21時27分に到着した最終列車が夜間滞泊をしたものだ。ただし、指宿駅の方が南にあるため、日本最南端の夜間滞泊駅は指宿駅ということになる。

枕崎駅は宮脇俊三の名作紀行文『最長片道切符の旅』で終着駅となり、平成17(2005)年にNHKで放送された『列島縦断 鉄道乗りつくしの旅〜JR20000km全線走破〜』では根室までの長い旅の始発駅となった。これら二つの作品をきっかけに枕崎駅に興味を持った方も多いだろう。指宿枕崎線はお世辞にも本数が多いとも言えないが、やはり列車に長い時間揺られて降りたつと何とも言えない感慨を覚えることができる。もうすぐ夏の青春18きっぷのシーズンが始まるが、この機会にぜひ訪れてみてはいかがだろうか。

鉄道・旅行ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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