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卓球女子の早田ひなが、孫穎莎の頭のゴミを取ってあげる気遣い 微笑ましい選手の交流 #専門家のまとめ

中島恵ジャーナリスト
卓球女子団体の表彰式で、孫穎莎の頭のゴミを取ってあげる早田ひな選手(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

パリ五輪の卓球女子団体戦は日本が中国に3-0で敗退したが、シングルス、団体戦を通して、日本の早田ひな、平野美宇、張本美和と中国の孫穎莎、陳夢、王曼昱らの心温まる交流があった。

それを象徴するのが、団体戦の表彰式で早田が孫の頭についたゴミを取ってあげるという“気遣い”だった。ここから、日中卓球交流史が垣間見られる。

ココがポイント

▼表彰台でのわずかな時間に、早田が孫の頭のゴミを見つけて、取ってあげるという一瞬をとらえた。SNSのコメントも引用。

「早田ひなと孫穎莎の絡み尊いなぁ」卓球女子 日本エースの中国選手への気遣いにSNSほっこり「微笑ましい」(デイリー)

▼パリ五輪が終了し、思い出される数々の美しいシーンの一つとして、まとめ記事的に表現されていて、わかりやすい。

「今大会で最も美しい場面だ」女子卓球団体の表彰式で見せた日中エース同士のさり気ない“気遣い”に中国ファン感服【パリ五輪】(THE DIGEST)

▼試合中は厳しい表情を見せているが、試合終了後は一転。「ほっこりしたシーン」として紹介している。

「試合後の選手は美しい」卓球の表彰式で“ほっこり” 早田ひながライバルの中国選手へ気遣い(日テレNEWS NNN)

▼日本の卓球選手は石川佳純さんの時代から中国語がペラペラ。双方の選手や石川さんとの交流が中国でも話題に。

「石川佳純さんが卓球男子の馬龍に会う」が中国のSNSで話題 卓球女子団体の表彰式で日中の選手が仲よく(Yahoo!ニュースエキスパート 中島恵)

エキスパートの補足・見解

パリ五輪で、最も盛り上がった競技の一つが卓球男子、卓球女子の試合だったが、日中の卓球選手は練習や国際大会などを通じて、ふだんから交流があり、日本人選手の多くは中国語を話すことができる。そうした交流によって、日本人選手は日頃から中国を肌で理解し、中国人選手も日本人選手に心を開いている。

その象徴的な場面の一つが「早田が孫の頭のゴミを取ってあげる」という一瞬のシーンにあらわれていたように感じる。政治的には難しい問題が多い日中関係だが、スポーツを通じた交流は清々しく、今後もこうした交流が広がっていくことに期待したい。

ジャーナリスト

なかじま・けい ジャーナリスト。著書は最新刊から順に「日本のなかの中国」「中国人が日本を買う理由」「いま中国人は中国をこう見る」(日経プレミア)、「中国人のお金の使い道」(PHP新書)、「中国人は見ている。」「日本の『中国人』社会」「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日経プレミア)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。主に中国を取材。

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