佐賀県唐津市の唐津市近代図書館美術ホールで、今年度初の展覧会、唐津市所蔵展「水•みず！森通と唐津のこどもたち　水彩／地平線／水平線」が開催中です。

森 通（もり　とおる）さん（1926-2001）は砂漠を描いた画家として知られる唐津ゆかりの芸術家。油彩画・水彩画を中心にさまざまな絵が展示されています。

また、3月に近代図書館で行われた、画家・小木曽 誠（おぎそ　まこと）さんの水彩画ワークショップで唐津のこども達が制作した水彩画作品も併せて展示されています。この水彩画ワークショップでは、子どもたちが「春を描く」をテーマに新興町公園で、花や木など思い思いの「春」を見つけ、一生懸命描きました。どれも個性がありほのぼの。

このワークショップで講師をされた小木曽　誠さんは、元佐賀大学文化教育学部准教授。息を飲むほど美しい写実絵画を描かれる著名な洋画家です。気さくなお人柄で、ワークショップではご自身も子どもたちに混ざって一緒に絵を描いていらっしゃいました。この時に描かれた絵は子供さんにプレゼントされましたが、小木曽さんが描かれた唐津城の絵もこちらの展覧会に展示されています！構図や色使いがとても美しいです！生で見られるチャンス！ぜひご覧くださいね。

また、ほかにも、唐津ゆかりの、内山孝さん（1922－2022）、熊川昭典さん（1930－2000）の絵を展示中。唐津城や虹の松原など唐津の風景画を鑑賞できます。

今回の展覧会は、子どもたちが美術鑑賞を深める第一歩を目指しているそうです。ただ展示されているだけではなく、子供たちの目線の高さに合わせた丁寧な解説と、どんな画材を使ってどのように絵を描いたら良いかのヒントまで。展示ホール全体も小さい子も楽しめるように展示を低めにし、装飾が可愛く施されていたり、イラストで、森通さんの紹介したり、コラム冊子が用意されていたりと、近代図書館のスタッフの方が子どもたちの為に、工夫を凝らしていらっしゃいます。今回のコラム冊子（vol.4)は「子どもたちの水彩」と「美術に出会う」がテーマ。小木曽さんのワークショップの様子も紹介しながら子どもたちに身近な「水彩」について触れてあり、なるほど～と感じる読み物となっています。

小さい子からお年寄りまで、絵を見るのが好きな方だけでなく、絵を描くのが好きな人には参考になり、楽しめる内容です。気軽に芸術に触れられて、内容がとても充実しているのに、入場料が無料なのが嬉しいですね。展覧会は2023年4月12日（水）から始まっていて5月7日（日）まで開催。ぜひ絵を描くのが好きなお子さんは本を借りた帰りに寄ってみて欲しいなと思います。

1階ロビーでは、「水のうつわと唐津陶片」展も実施中（７/２まで）

また、これまで寿里庵というカフェだったスペースが、試験的に飲食コーナーとなっており、持ち込み、飲食可能のスペースになっていました！飲食しながら読める本も用意されています。これは嬉しいですね。

そして夏休みには大変面白そうな企画展の予告が！現在愛知県で開催されている、特別展「はしもとみお彫刻展」が唐津にやってきます。予定会期は7月22日（土）～9月10日（日）。高校生以下は入場無料です！

紹介コーナーが設けられています。彫刻の動物たちが可愛すぎます。この規模は九州初とのこと！是非夏休みの間に行きたいですね。開催が楽しみです。また会期時期になりましたらレポートしたいと思います。

唐津市近代図書館美術ホールの展覧会は市民の方が気軽に文化や芸術に触れられる憩いの場となっています。まだ行ったことのない方は、せひ足を運んでみてくださいね。