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春本番はまだ遠い?来週明けまで強烈な寒気

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
6日の上空の気温(青が濃いほど低温)。寒気がシベリア方面からストレートに南下。

人間のクセがすぐなおらないように、天気のクセもすぐにはなおりません。

冬からの「日本付近に寒気が流れ込みやすい」というクセは、3月も続いています。

3月としては強烈な寒気

3月としては、かなり強い寒気が南下中です。たとえば、茨城県つくば市にある高層気象台の上空の気温で見ると、過去50年余りの統計史上、3月としてはトップ5に入る可能性もあるほどの強さです。

人工排熱や海水温などの影響もあり、私たちが住んでいる地上では、過去50年でトップ5とまではいきませんが、それでも全国的に真冬を感じさせるような寒さ。しかも、来週明けにかけて続きます。

なぜ強烈な寒気が南下?

3月にもなると、シベリアなどの寒気も少しずつ弱まり始めます。

ただ、今回は寒気が「産地直送コース」で、フレッシュな状態で南下。シベリアから西回りに大きくカーブをして日本へ来れば、それだけ時間がかかって、ぬるくなるのですが、今回はぬるくなる時間が短いストレートコースで来るわけです。

「引き」の冬型

北海道の北で低気圧が猛発達。暴風を起こすとともに、北から寒気を引きずり込む。
北海道の北で低気圧が猛発達。暴風を起こすとともに、北から寒気を引きずり込む。

日本列島に寒気が来る場合、シベリアの高気圧が寒気を押す「押しの冬型」と、日本付近の低気圧が寒気を引きずりこむ「引きの冬型」があります。

今回は「引きの冬型」。北海道付近で猛発達する低気圧が、寒気を引きずり込んでいます。

低気圧が発達するほど、引きずり込み方が荒々しくなるため、各地で北風が吹き荒れます。北海道など雪を伴う地域では、猛吹雪に警戒が必要になってきます。

今年の春はスロースタート

来週なかばになると、今回の寒気が抜けて、いったん気温が上がります。

ただ、その後は三寒四温パターン。今回ほどではないものの、来週末(15日前後)はまた寒くなります。

そういったことを繰り返して、気づけば3月も後半。春本番がやってくるのは、早くても3月後半になりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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