【Yahoo!ニュース 個人】4月の月間MVA受賞記事が決定
■Yahoo!ニュース 個人、4月の「月間MVA(Most Valuable Article)」が決定しました
Yahoo!ニュース 個人の「月間MVA」が決定しました。評価基準から記事のアクセス数などをあえてはずし、社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点から、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を選出するもので、編集部を中心とした運営スタッフが選出しました。受賞記事5本と受賞にあたっての筆者のコメントをまとめて紹介します。
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■オウム裁判で分かったこと、残る謎(江川紹子)
筆者による受賞コメント:できる限り端的に……と思いながら、お伝えしたいことがいろいろあって、かなり長文になってしまいました。それでも、多くの方が読んで下さり、ありがたかったです。加えて、月間MVA賞までいただき、驚きと感謝でいっぱいです。人間、生まれてから死ぬまで順風満帆ということはなく、「騙されない」と思っている人ほど、騙されやすいといいます。オウムのようなカルトには、誰でも巻き込まれる可能性があることを知っておくことが、カルト対策の第一歩かな、と思います。
(江川紹子)
選出理由:一連のオウム裁判の節目にあわせて、何が解明されたのか・どのような謎が残っているのかを、オウム取材第一人者の筆者に寄稿いただきました。
裁判や捜査に対する評価だけでなく、社会に対し「なぜ暴走を食い止められなかったのか」という課題をなげかけ、「教訓を若い世代に」というメッセージでむすんでいただきました。
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■サイバーエージェントなど特定企業の社員が違法なネイティブアドビジネスにぶっこんでいる件で(山本一郎)
筆者による受賞コメント:このたびは、かような賞にご選出いただきましてありがとうございます。かねてから問題のある取引の存在については知り得る立場におり、ある意味でネット広告業界やウェブメディア業界での暗黙の了解になっていた部分は残念ながらありましたが、なるだけ読者に対する欺瞞のないような形で倫理観を持って対応して欲しいと関係各社や各人には願う次第です。一方、本件問題は私の知る限りいまなお継続しており、取材に進展があり次第、裏づけの内容と共に引き続き記事にしていきたいと思います。
(山本一郎)
選出理由:地道な取材を重ねながら、ノンクレジットネイティブ広告の問題点を指摘し、業界全体の改善に寄与する記事を寄稿いただきました。本稿をきっかけに、多くのWebメディアがユーザーの誤解を生まないような広告表示の努力を開始し、大きな影響を与えた調査報道となりました。
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■【渋谷区長選】ホームレス排除について考える(大西連)
筆者による受賞コメント:このたびは、Yahoo!ニュース個人の4月のMVAに選んでいただき、ありがとうございます。大手メディアやジャーナリズムとは違う、支援に携わっているからこその「現場の視点」にこだわって記事をかきました。問題解決のための議論のきっかけになれば幸いです。
(大西連)
選出理由:渋谷区長選挙をきっかけに、問題の現状と課題をひとつひとつ整理して寄稿いただきました。客観的な整理にとどまらず、現場に関わってきた方だからこそわかる今回のケースの温度感が感じられます。
また、一方的な批判に終始せず、やさしい文体で建設的な解決策も提起いただいています。
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■芸術が超えてはいけない境界線はあるのか。警察に通報されたノルウェーのムンク美術館の挑戦(鐙麻樹)
筆者による受賞コメント:観光の視点からではなく、地元でムンクという存在が、どれほど深く愛されているのかがまさに証明された数か月でした。日本とノルウェーの「性と芸術」についての解釈の違いを考えさせられると同時に、現地報道を鵜呑みにせずに、自分で掘り下げていくことの大切さを実感したケースでもあります。
ニュースとしては伝えられることの少ないノルウェーの現地情報を、これからも文字と写真で日本に届けていこうと思います。
(鐙麻樹)
選出理由:ノルウェー在住だからこそキャッチできた問題について、事象の発信にとどまらず関係者に取材をし、内容の濃い掘り下げた1本にして寄稿いただきました。
海外での報じられ方の紹介にとどまらず、一般市民の感覚とのずれにもふれ、芸術のあり方・メディアのあり方について、議論喚起となる1本です。
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■産休取得批判も「公人だから仕方ない」? 政治を取り巻く「古い体質」はいつになったら変わるのか(小川たまか)
筆者による受賞コメント:選出いただきありがとうございます。国際的にも指摘されている女性議員の少なさを解消するためには、「なぜ少ないのか」という疑問を持つ人が増えることが必要だと思っています。お忙しいところ取材を受けてくださった福島みずほ議員、向めぐ美さんに感謝です。お二人が取材を受けてくださったことで、私自身、政治が少し身近になりました。
(小川たまか)
選出理由:筆者自身が追い続けているテーマについて、足を使って丁寧にインタビューをした記事です。
インタビューの内容を再構成し、何が課題なのかをわかりやすく整理してまとめていただきました。
「『自分の声はマイノリティーだからどうせ届かない』と投票にいかなければ悪循環だ」と、選挙のタイミングで読者になげかけています。