広めたい『ブラインド型』防災訓練
最初の記事はブラインドですが、包み隠さず。
今年2013年は41度を記録した猛暑に台風や大雨、そして8月30日に特別警報の運用が開始されるなどトップニュースに気象ニュースが多く並びました。災害発生時に住民への伝達準備は本当に出来ているのか?
裏側を取材してきました。
全国初の『ブラインド型』防災訓練
先月11月中旬に沖縄県と沖縄気象台が共催し『ブラインド型防災訓練』が実施されました。
参加機関は沖縄県の防災危機管理課・自治体・消防本部などです。
今までの災害訓練はシナリオに沿ったものでしたが、今回は「告知なしのブラインド型」訓練です。
この規模の取り組みは全国でも類をみない訓練となりました。
沖縄気象台から段階的に発表される防災気象情報を自治体がどのように受けて、どのタイミングで住民への呼びかけとなる避難勧告などを発表するのか、疑似体験をする事を目的としたものです。
【ルール】
1.コントローラーは沖縄県と沖縄気象台。
2.プレイヤーは自治体と消防本部。
事前に自治体へ伝えられていたのは「11日の午前10時から2時間、台風接近を想定した防災訓練を行います。気象台からの情報をもとにそれぞれの自治体の判断で対応して下さい。」のみ。
プレイヤーは防災マップなどを活用し状況に応じた防災体制や防災対応をイメージして、住民に対する警戒を促す広報文を実際に作成します。
コントロール室は沖縄気象台に設け、プレイヤーに対し防災気象情報の発表をします。
訓練は去年の台風16号をもとに資料を作成し、災害は高潮と土砂災害を想定。
沖縄気象台は大雨注意報・警報・特別警報などの情報を段階的にプレイヤーである自治体に発表。
私は訓練の様子を取材しました。積極的に気象台に問い合わせる自治体もあれば、ほとんど連絡がないプレイヤーなど対応は様々でした。
ホットラインが混み合いパンク状態にも。
気象台からの最終通告となる「特別警報」が発表されるまで「住民への避難指示」をした自治体は全てではありませんでした。
住民の皆さんがいくら防災意識を高めていても、自治体からの的確な伝達がなければ判断が出来なくなってしまいます。
災害にシナリオはありません。
実際の災害時に迅速に対応が出来るよう、全国の防災機関や自治体が連携して「ブラインド型」の防災訓練を実施してもらいたいものです。
(画像は筆者撮影)