不安障害の特徴や共通点について「HSP」との関係性についても解説!
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こんにちは、精神科医しょうです。
さて、今回のテーマは不安です。不安や恐怖という感情は人間に備わっている必要な機能です。
不安や恐怖があるからこそ危険を回避したり、身を守ることができます。
しかし、危険があるわけでもないのに過剰に恐怖に駆られたり、理由もなく不安になっていては生活に支障がでてしまいますよね。
このように過剰な不安や恐怖から心身に症状が現れ、社会生活を送れないほどの支障を生じている状態を不安障害といいます。
不安障害は「不安・恐怖」を感じるものに対して、とても過敏に反応してしまいます。
今回は、繊細で敏感な気質を持っているHSPと不安障害は関係があるのかを紹介していきます。
不安障害とは?
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強い不安や恐怖を感じることで心身にさまざまな症状が現れ、生活に支障をきたしている状態を不安障害といいます。
不安を避けたり自分が嫌だと感じる状況を回避しようとするため行動が制限され、仕事や人間関係に影響が出る人もとても多いです。
不安や恐怖というものは外敵から身を守り危険を回避するために、誰にでも備わっている機能のひとつです。
しかし、不安障害の人はその危険を回避するための信号が過剰になっているので、本来危険ではないものを危険だと認識したり必要以上に不安や恐怖を抱いてしまうのです。
不安の感じ方や症状の現れ方は人によって大きく異なり、心の症状と身体の症状に分けられます。
心の症状は、イライラしやすくなる、涙もろくなる、集中力の低下、不眠などがあります。
身体の症状は、動悸や眩暈、身体の震え、多汗、息苦しさなど多岐に渡ってさまざまな症状が現れます。
不安障害の症状
・パニック障害
パニック障害には「パニック発作」「広場恐怖症」「予期不安」の症状があります。
パニック発作は、突然原因不明の強い不安を感じて呼吸困難やめまい、動悸などの症状が現れます。
自分をコントロールできなくなる感覚や、このまま死んでしまうのではないかという強い恐怖を持つ人もいます。
パニック発作を一度経験してしまうと、「またパニック発作になるのではないか」という恐怖を感じたり(予期不安)、パニック発作の予兆を感じて体調を崩したりすることもあります。
予期不安がエスカレートすると広場恐怖症を併発し、すぐに逃げ出せないような空間や助けを求めることができない場所で発作が起こることを恐れて、そういった場所を避けるようになります。
たとえば、電車やエレベーターなど閉じられた空間では「逃げられない」と感じてパニックを起こしやすくなるため、行動が制限されたり、一人で外出できなくなります。
・社交不安障害
社交不安障害は社会恐怖とも呼ばれ、人前で恥をかいたり注目されることに対して、極度に恐怖や強い苦しみを感じます。
かつては「赤面恐怖症」「対人恐怖症」「あがり症」とも呼ばれていました。
赤面や動悸、身体の震え、発汗、声の震えなどの自律神経症状が現れるのが特徴です。
症状が起こる場面は、人前でのスピーチ、会食、人前で文字を書く、人のいる場所で電話をとるなど「人と関わる場所」で起こります。
そして、上記のような症状が現れ、恥ずかしい思いをした経験から「また手が震えるのではないか」などと恐れ、対人場面を極度に怖がるようになります。
症状が現れた場面や行動を避けるようになり、社会生活に支障が生じてしまいます。
・全般性不安障害
仕事やプライベートなどさまざまなことに対して不安や恐れを持つようになることを、全般性不安障害といいます。
漠然とした不安を慢性的に持ち続けるため、やがて身体的な症状や精神的な症状が現れるようになります。
不安や心配を自分でコントロールすることは難しく、些細な物事にも常に過敏に反応してしまうのでそわそわと落ち着きがなくなり、疲労が溜まっていきます。
症状が進行すると、普通の暮らしにも支障が出るようになり、正常な生活を送ることが困難になってしまいます。
パニック障害や社交不安障害は、症状が起こる状況や苦手な場所などがはっきりしています。
しかし、全般性不安障害は不安を感じる範囲がとても広いのが特徴です。
家の中や学校、会社、天災、自分には直接関係のない事故や事件のニュースなど、ありとあらゆるものが不安を感じる対象になります。
全般性不安障害の人は、常にあちこちにある不安を感じ取っているため「他の人よりちょっと心配性なだけ」だと思い込み、病的な不安だと気づくことができない人もたくさんいます。
不安障害の診断目安となる特徴
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人から見られることに苦痛や恐怖を感じる
大勢の前はもちろん、一対一の場であっても人から見られることに苦痛や恐怖を感じます。
面接や会議、発表会、親しくない人との会食など「人に見られながら何かをする」という行為そのものに苦痛を感じるため、社会生活に大きな支障をきたします。
宅配便でサインを書くときに手や字が震えたり、動悸がすることもあります。
また、電車などで他人と対面して座ったときに、実際に見られているわけでもないのに視線を感じて苦痛を覚えます。
不安の感じ方が尋常ではないと感じる
人は誰しも不安や恐れを感じますが、その感じ方が明らかに他人とは異なっていると自分で自覚できる場合があります。
一般的な人であれば、多少の緊張や不安があっても何とかその場を乗り切ることができますが、不安障害の人の場合、激しい動悸や眩暈、多汗などの苦痛が伴い、体調不良で休みがちになることもあります。
「神経質」や「心配性」の度が過ぎるほどに神経が過敏になっている場合、不安障害である可能性が高いです。
不安な状況を回避する行動をよく取る
会議や発表会などで発言をしなければいけない場面や、面接がある日に体調を崩して突然休んでしまうことがあります。
強い不安を感じる状況を前にして「恥ずかしい思いをしたくない」「嫌な思いをしたくない」という気持ちが大きくなり、実際に回避行動を取ります。
最初は小さい不安だったものが、恥ずかしい経験やトラウマが積み重なることによってどんどん大きな不安になり、恐怖に発展した結果、身を守ろうと回避行動を取ってしまうのです。
回避行動は一時的に不安を和らげることができますが、長期的に見ると不安が大きくなっていくデメリットがあります。
不安や恐怖によって社会生活に支障が生じている
過剰な不安や恐怖によって社会生活に支障が出ていると自覚できている場合、不安障害の可能性が高いでしょう。
仕事を休みがちになる、転職しても嫌な場面に遭遇するたびに辞めてしまう、大事な会議の日に体調を崩す、人前で字を書いたりご飯を食べることができない、電車に乗ることができない、大勢の前で声が震えるなど、さまざまな症状によって社会生活に問題が生じます。
HSPは不安障害になりやすい?
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HSPは「生まれながらに繊細な気質を持っている人」のことをいいます。
HSPの人は、日常生活で常に刺激を受けているためストレスを溜めやすく、適応障害や不安障害、うつ病などの精神疾患に移行しやすい性質を持っています。
また、HSPには内向的で真面目な性格の人が多い傾向があり、人からどう思われているのかを気にしてしまうことがあります。
この「人からどう思われているのか」を気にしすぎるあまり、不安障害に繋がる可能性があるのです。
仕事でミスをしてみんながいる前で怒られたり、発表の場でうまく話すことができず恥ずかしい思いをしたなど、そういったことが引き金となって不安障害になる可能性があります。
HSPと不安障害の共通点
HSPと不安障害は、どちらも「刺激に敏感で不安を感じやすい」という共通点があります。
HSPの人は繊細な気質を持っているため傷つきやすく、刺激に対しても強く反応して不安や恐怖を感じやすい傾向があります。
一方、不安障害の人は、他の人から見て些細なことに対しても敏感に反応して強い不安を覚えることがあります。
恐怖を感じるときに動悸や震えなどの身体症状がでるため、より不安を感じやすいのが特徴です。
まとめ
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今回は不安障害の特徴や、HSPとの関係について紹介しました。
HSPと不安障害はそれぞれ異なる症状を持っていますが、共に「繊細」な部分があります。
HSPの人は、繊細で色々なところに気がつく性質を持っているからこそ、それが不安や恐怖に繋がり不安障害になりやすいのです。
生活に支障が出るほどの症状が現れている場合、自分で何とかしようとせずに精神科や心療内科に相談しましょう。
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