NY金8日:反発、ドル反落で買い戻しが膨らむ
COMEX金8月限 前日比比5.50ドル高
始値 1,170.80ドル
高値 1,177.10ドル
安値 1,168.50ドル
終値 1,173.60ドル
為替相場でドルが反落したことを受けて、反発した。
前日は5月米雇用統計が米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを支持したとの評価から、ドル高連動で金相場は上値の重い展開になった。ただ、本日はドル高地合を引き継ぐことに失敗したことを受けて、ドル反落・米金利上昇と連動して押し目買い優勢の展開になった。
特に米経済にネガティブな動きが浮上している訳ではないが、欧州債売りの動きを受けて、米欧の金利関係からドル安・ユーロ高が促されたことが、ドルにネガティブ・金にポジティブと評価された。もっとも、本格的に買い進むような動きまではみられず、総じて1,172~1,176ドル水準で方向感なく乱高下する展開が目立った。
引き続きFRBの利上げ着手に対する警戒感が上値を圧迫するも、下げ切れていない。ドル相場の方向感が定まらない状況が続く中、上値の重さは確認したものの、改めて大きく売り込む動きは鈍い状況に。ただ、このまま米経済に大きなトラブルがなければ、戻り売り基調が修正を迫られる必要性は乏しいだろう。前日の下落局面でも現物筋の反応はそれ程強くなく、投機売りが再開すれば十分に下値切り下げが可能な状況にある。
引き続き株式相場の地合が不安定化していることに注意が必要だが、11日発表の5月小売売上高などが米景気の拡大再開期待を強めることができれば、改めて下押し圧力が強まろう。1,150ドルの節目割れから年初来安値1,141.60ドルを試す展開が想定できる状況にある。