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日本代表ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、アルゼンチン代表戦はどう攻めるか。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ニュージーランド代表、日本代表の両方でプレーした。(写真:アフロスポーツ)

ラグビー日本代表は11月5日、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ就任後初のテストマッチ(国際間の真剣勝負)を東京・秩父宮ラグビー場でおこなう。相手は昨秋のワールドカップで4強入りしたアルゼンチン代表。4日にあった試合会場での前日練習後、指揮官が取材に応じた。

以下、同日の一問一答の一部(質疑の順番変更など、編集箇所あり)。

――明日の試合に向けて。

「楽しみ。私にとっては日本代表を率いて初めての試合です。選手は自信に満ち溢れていますし、私も選手が100パーセントを出してくれると自信を持って言えます」

――今夜、選手に何を伝えるか。

「新たなメッセージを伝えることは、いたしません。私も現役時代、試合前は誰とも話をしたくない方で、自分の時間を過ごしていました。ここからは選手たちが準備してパフォーマンスをするだけ。選手は戦術、戦略、対アルゼンチン代表戦の戦い方をしっかりと理解していると思います。明日は、手短にミーティングをします。そこで緊張をほぐす言葉をかけて、試合に臨むだけです」

――キーとなるプレーは。

「スクラムやラインアウトなどのセットプレー(ぶつかり合いや空中での競り合いによる、プレーの起点)を安定させる。また、なるべくセットプレーでプレッシャーをかけられなくする(回数を減らす)ために、ミスをしない。そして、ゲームの展開を素早くしたいです。あとは(大柄な)相手との体格差はあるので、強みを活かし、賢くプレーする。気負いをせず、やってきたことを100パーセント出し切れれば」

――コンタクト局面で激しい圧力をかけてくる相手に、目指す「速い」展開を実現するには。

「その、コンタクトを避けて、ランをするということ。相手にではなく、スペースにアタックする。相手に走り込むよりも、相手の後ろへ(キックで)ボールを転がす…。それをいかに試合で遂行するか、です」

――6月のスコットランド代表戦(国内で2連敗)を受けて。

「あの時といまではチームが違います。当時はスーパーラグビーの途中でした。サンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーへ日本から参戦)でやってきたことを継続していて、それがうまくいった部分もあったとは思います。今回、(メンバー決定から)1週間。やりたいことの全てを整えるのが難しいのは事実です。ただ、選手たちからは自信を持っている言葉も聞かれます」

――ジョセフさんは、日本代表としてプレー経験があります。改めてこのチームを率いることについて。

「誇りに思っています。また、代表のコーチは責任が重いと感じています」

――明日は、元日本代表キャプテンで監督の平尾誠二さんの追悼試合にもなっている。ジョセフさんのプレーしていたジャパンで監督をしていたのが、平尾さんでした。

「私自身、平尾さんからコーチングを受けた経験をいい思い出として持っています。今回は長谷川慎スポットコーチ(元日本代表プロップ)とも、平尾さんについての色々な話をしました。日本ラグビーにとって貴重な存在を失ったのは残念です。明日、黙とうをして、試合に臨みます」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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