日中クオーターの歌手 Limeismさんメジャーデビュー 曾祖父はジャッキー・チェンの名づけ親
12月6日、日中クオーターの歌手、Limeism(リーメイズム)礼美(リーメイ)さんが『明日(あす)の天気』(徳間ジャパン)でメジャーデビューする。
父親は日本と中国のハーフで、父方の祖父母は小説『大地の子』などの著書で知られる山崎豊子さんのインタビューを何度も受けた。
母親は上海出身の中国人。母方の曾祖父は香港出身のアクションスター、ジャッキー・チェン(成龍)の名づけ親で、ブルース・リー(李小龍)主演の映画『ドラゴン危機一発』などでメガホンをとった名監督、羅維(ロー・ウェイ)氏、曾祖母も女優という家系だ。
中華系二世のシンガーソングライター
Limeism(リーメイズム)さんは中国で出会った父母のもと、東京で生まれた。幼い頃からピアノを習い、音楽に親しんで育った。家庭内では主に日本語で生活し、大学では日本文学を専攻したが、幼い頃から母親が話す中国語を聞いて育ち、自然と中国語もできるようになった。
プロになろうと決意したのは数年前、父親が病死したことがきっかけだ。
「人生は一度きり。後悔しないように、大好きな音楽の道に進もう」と思い、2019年から本格的に音楽活動を開始した。コロナ禍はネットで配信を続け、ライバーとしても活動している。
作詞、作曲、編曲をすべて自身で行い、ピアノで弾き語りをする中華系二世のシンガーソングライターとして活動。各地でライブやフェスなどにも出演している。
日本語の歌だけでなく、日本語と中国語をミックスした歌詞が特徴的な『Motto Motto一起来』なども制作。日本だけでなく中国など海外にもファンが増え、TikTokのフォロワーは3万人を超える。
アーティスト名の由来は
Limeismとは不思議な名前だが、由来は何なのか。
「私(リーメイ)のイズム(主義)という意味でつけました。自分は幼い頃にいじめられた経験もなく伸び伸びと育ちましたが、さまざまなルーツ、バックグラウンドを持つことで嫌な思いをしてきた人もいます。
でも、他の人とちょっと違う要素を持つことは、プラスなことだと私は思います。人それぞれにイズムがあり、個性がある。私にも私のイズムがある、ということで、リーメイズムというアーティスト名にしたんです」
曾祖父が香港の有名な映画監督で、ブルース・リーやジャッキー・チェンと親交があったことは、幼い頃はあまりよく知らなかったという。大人になって母親から双方の家族のヒストリーを聞くようになって興味を持ち、ネットで曾祖父の映画も観るようになった。
「X(旧ツイッター)を始めたら、日本中にブルース・リー、ジャッキー・チェンのファンがいて、マニアの間で曾祖父のこともよく知られていることを知り、驚きました。自分も歌手として、アーティストとして、いい作品を作り、国籍や国境に関係なく、多くの人に歌を聴いてほしいと思います」
デビューCD『明日(あす)の天気』には、ほかに『くじらざめ』『四月の魔法』、『くじらざめ』の中国語バージョンの4曲を収録している。伸びやかで、澄み切った青空のような歌声が印象的だ。