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リブゴルフCEOのグレッグ・ノーマン、全英にも招待されずギャラリーチケット購入か!? #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

リブゴルフを創設し、そのCEOを務めているグレッグ・ノーマンは、昨今、しばしば話題には上るものの、眩しいスポットライトを浴びているというわけではない。むしろ「報われないリーダー」のような印象さえ受けるのだが、ここまで来ると「さすがに気の毒」と思える話が耳に入ってきた。

今年4月のマスターズに招待してもらえず、転売屋から高額チケットを購入してオーガスタ・ナショナル入りしたノーマンが、今年7月の全英オープンに、全英2勝の過去のチャンピオンであるにもかかわらず、招待されない様子なのだ。

マスターズでの優勝実績が無くても、過去のマスターズを沸かせた往年のスター選手の多くはオーガスタ・ナショナルから「是非ともマスターズウィークにオーガスタ・ナショナルへお越しください」という招待状をもらうものである。

しかし、リブゴルフを創設してゴルフ界を大揺れさせたノーマンは、昨年は「マスターズ会場には来ないでほしい」と言い渡され、その言葉を受け入れたノーマンは来場しなかった。

そして今年は、米メディアから「ノーマンを招待するのですか?」と問われたオーガスタ・ナショナルのフレッド・リドレー会長が「ノー。招待していない」と答えたのだが、その翌々日、ギャラリーチケットをぶら下げたノーマンがオーガスタ・ナショナルに現れ、メディアも関係者も仰天させられた。

「リブの選手が13名出ているのだから、私はボスとして、オーガスタに来て、彼らをサポートする必要がある」

一体どうやってノーマンは入場しているのだろうかと取り沙汰されていたら、ノーマンの息子が「父は転売屋からギャラリーチケットを購入した」とSNSで明かし、ゴルフ関係者はさらに驚かされた。

そんな経緯があった数週間後の5月上旬、今度は「ノーマンをロイヤル・トゥルーンに招待するのか?」という問いが浮上した。

今年7月の全英オープンの舞台はロイヤル・トゥルーンだ。ノーマンは1986年と1993年に全英オープンを制した過去の優勝者であり、ロイヤル・トゥルーンでは1989年大会の際、マーク・カルカベキアとウエイン・グラディとの3人によるプレーオフを戦ったことがある。優勝したのはカルカベキアだったが、「ノーマンがまたしてもメジャーで惜敗した」ということで、大きな話題になった。

全英オープン、ロイヤル・トゥルーンと来れば、「グレッグ・ノーマン」を連想するゴルフファンは、きっと多いことだろう。

しかし、米ゴルフウィーク誌によると、全英オープンを主催するR&Aは今年のロイヤル・トゥルーンの招待者のリストに「グレッグ・ノーマンの名前はない」と語ったそうだ。

全英オープンの会場では、過去の優勝者数名が参加する「セレブレーション・オブ・チャンピオンズ」というエキシビジョンや「チャンピオンズ・ディナー」といった催しを行なうことが慣例化しているが、ノーマンはそうした企画にも呼ばれてはおらず、単なるゲスト観戦者のリストにも記載されていないという。

R&Aのコーポレート・コミュニケーション・ディレクターのマイク・ウッドコック氏は「招待者のリストにノーマンの名前は今のところは見当たらない。ギャラリー用の観戦チケット25万枚も、すでに、ほぼ完売に近い。でも、転売屋では、まだ購入できるのでは?チケットを手に入れた人であれば、みなウエルカムだ」と、なかなか手厳しい。

マスターズでは、ノーマンは過去の優勝者ではない分、招待されないことは、ある意味、仕方ないのだろうと思っていたが、全英オープンでは2勝を挙げた実績があるというのに、それでもノーマンを招待しないR&Aの姿勢は、頑なで毅然としていると思う一方で、さすがにここまで来ると、ノーマンが気の毒に感じられる。

果たしてロイヤル・トゥルーンでも、ノーマンはギャラリーチケットを購入して登場するのかどうか。試合の行方とは、おそらくほとんど関係はないだろうと思うものの、やっぱりとても気になる。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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