JAL、機内食風弁当を東京都内の新型コロナホテル療養者向けに配送、機内食ノウハウで冷たくても美味しい
JAL(日本航空)は、東京都からの依頼で新型コロナウイルスの宿泊療養施設に対し2月3日、約1500食の機内食風弁当を届け、ホテル療養中の方に提供した。
東京都からJALに依頼があり、その後、国内線の機内食メニューを担当するTFK社に相談し、機内食風の弁当を提供することに決まり、TFK社の料理部長を中心にメニュー作りが始まった。開発期間約2週間で国内線ファーストクラス(普通席運賃に8000円の追加で利用できる)の機内で提供される機内食をイメージして、洋食3種類、和食3種類を東京都側に提案。その中から東京都が選んだ洋食1種類、和食1種類がホテル療養者に提供され、2月3日は洋食メニューを約1500食用意した。
機内食風弁当の中身は
洋食メニューの中身は、シーフードマリネ、ローストビーフと生ハム、ベーコンとチーズの香るサラダスパ、トマトソースの煮込みハンバーグ、そしてデザートとしてイチゴのプチケーキと甘夏ミカンが1つの紙の弁当箱に詰め込まれている。この紙の弁当箱は、普段は機内でパイロットが食事する際に使われているそうだ。
2月3日は節分ということで節分の豆、更にはバレンタインデーも近いことからチョコレート、更にはビーフコンソメスープ(粉末タイプ)も一緒に部屋に運ばれるとのことだ。
冷めても美味しいのは、機内食のコールドミールのノウハウを結集したから
機内食風のお弁当ということで、JALの普段の機内食同様に四季の色合いや雰囲気などをそのまま反映して、今回は「早春」をイメージして作らせていただいたとJALの担当者は話す。
更にホテルの客室には、電子レンジの設置は基本的にないことから、お弁当も届けられた状態で食べることになるが、機内食、特にコールドミール(食べる直前に加熱をしない)のノウハウがあることで、冷たくても美味しく食べられるような工夫がされている。例えばパスタにおいても、通常は時間が経つと麺がくっついてしまうことも多いが、そうならない工夫をしているそうだ。
筆者も取材後に機内食風弁当を試食したが、冷めてもスパゲティの麺がくっつくこともなく、更には野菜も多く入っていることで野菜不足の解消にもなるほか、種類も豊富であり、様々な味が楽しめて美味しかった。またデザートも入っているのも通常のお弁当よりもスケールアップしていることは間違いないだろう。
ホテル療養者の負担はなく、東京都が全額負担
JALでは既に1月中旬にJALのグループ会社で販売している一般販売しているお弁当(牛すき焼き弁当)を納入しているが、今回は専用メニューを開発しての提供となった。機内食風お弁当の費用は、東京都が全額を持ち、利用者の負担は生じない。JALの機内食風弁当は次回、約1500食を和食メニューで提供する予定で東京都と調整している。
東京都では26の宿泊療養施設に。週1回の特別メニューを提供中
東京都のホームページによると、2月3日現在で23施設、2月4日には3施設が追加となり、26施設が宿泊療養施設となる。そのほとんどがビジネスホテルとなっている。東京都福祉保健局のツイッターによると、1月16日より外出気分を味わえる週1回の特別メニューとして、JR東日本の有名駅弁、なだ万の料亭弁当、そして今回のJALの機内食風お弁当など、週1回の特別メニューとして特色ある食事を提供している。
ホテル療養中にどの特別メニューが提供されるのかを選ぶことはできないが、特別メニューを週1回提供することで、部屋から出られない状態の中での気分転換になることは間違いないだろう。