新たな感染3人。小学校で48人自宅隔離。中国は首都北京で新型コロナ第2波到来か?
中国の首都北京では、新型コロナウイルスの新たな感染者は56日連続でゼロだったが、昨日11日、その記録が途絶えた。新たな感染者はわずか1人だったが、その感染者は小学生の父親。子供の通う学校で多数の生徒が自宅隔離におかれた。そして本日12日、更に2人の感染確認が発表された。
北京の感染ゼロは連続56日だったが...
北京では4月16日以降、新たな感染者はゼロとなっていた。その記録は56日続いたが、北京市は昨日新たな感染者が1人出たと発表した。
感染確認者は、北京市内の西城区に住む52歳の男性。6月10日に熱が続いたので病院に行ったところ、その後感染が確認された。男性は、それまで寒気やだるさは感じていたものの、のどの痛みや咳はなかった。
本人によれば、最近2週間で北京を出たこともなければ、北京以外から来た人と接触してもいないという。
感染者は小学生の父親だった
彼には小学4年生の子供がいた。北京では低学年以外ではすでに学校が再開している。濃厚接触者として4年生の子供も隔離されたが、影響はその子が通う、西城区内にある学校にまで及んだ。
西城区の発表や中国メディアによれば、その子と同じクラスの生徒33人、そのクラスに関わった教職員15人、合わせて48人が自宅隔離におかれた。またその子のクラスと同じ階にあった2つのクラスは、別の教室に移った。教室やトイレなどは消毒された。
学校では隔離下に置かれた生徒たちに対しては、ネットでの授業を続けるという。感染者の子供は11日にPCR検査を受け、結果は陰性。これまでのところ、体温や体調に異常はないという。
安心はいいけど油断は禁物
北京では前述の通り2か月近く感染者が出ず、学校を始め社会生活は通常にかなり近い状態に戻りつつある。町を歩いていてもマスクをつけていない人もしばしば見かけるようになった。それは「安心」の現れだが「油断」にも見える。
そうした中、北京市は本日午後の記者会見で新たに2人の感染を発表した。2日間で新たに3人の感染者、これは第2波到来の兆しなのか。
感染者が出なくなってもウイルスは消えて無くなったわけではない。感染者が出てしまうと今回の例のように生活の中で関わった人々を巻き込んでしまうのが新型コロナウイルスの厄介なところだ。
日本では緊急事態宣言が解除された。通常の生活に戻りたいのは誰しも同じだが、経済、社会活動が盛んになれば、北京の小学校のような例が生じる可能性は忘れるべきではない。生徒や先生たちに感染が広がっていないことを切に願う。