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2024年、東京近郊で閉店した店・開店した店(大衆そば・立ち食いそば屋)

坂崎仁紀大衆そば研究家・出版執筆編集人・コラムニスト
8月1日、十条仲通り商店街にオープンんした「のじろう」(筆者撮影)

 2024年もすでに猛暑の7月そして8月となった。今年も2023年同様に閉店した立ち食いそば屋が多くしかも人気店の閉店が目立つ。一方、新規開店した店、再開した店もいくつかあった。寸評と共に下記にまとめた。

閉店した立ち食いそば屋

■1月30日閉店「すかや本店」スズラン高崎店地下

1830(天保元)年創業の老舗チェーン店の先がげ的存在。長い自家製麺のそばはまさに老舗の味。なお支店9店は元気に営業。東京近郊ではないがその旨さに敬意を表し掲載した。

■2月18日閉店「五助」東京都葛飾区堀切5-5-2

どんぶりやお酒のメニューも豊富だった。立石に居酒屋「勝ち組ごらく」として移転予定。

■2月末閉店「岩本町スタンドそば」東京都千代田区岩本町3-10-8

創業50年の人気店、「スタンドそば」最後の砦だった、いわし天などもユニークだった。

■2月29日閉店「そば・うどん かずさ」海ほたるパーキングエリア

海ほたるの人気店だっただけに残念。

■3月20日「駅そば大船軒本郷台そば」本郷台駅

大船軒として最後の店舗。

■3月31日閉店「星のうどん」相鉄線横浜駅

昭和61(1986)年創業の老舗的存在。シコシコのさぬきうどんが絶品だった。

■6月27日閉店「鬼怒そば」東京都千代田区外神田6-10-11

昭和46(1971)年創業の「キッチン南海」を経て同じ場所で「鬼怒そば」を経営。カレーが絶品だった。

黒いカレーライスが絶品だった「鬼怒そば」(筆者撮影)
黒いカレーライスが絶品だった「鬼怒そば」(筆者撮影)

この黒いカレーが絶品だった(筆者撮影)
この黒いカレーが絶品だった(筆者撮影)

■6月28日閉店「米十」東京都葛飾区堀切5-5-2

長野県松本市里山辺にある手打ちそば屋「そば庵 米十(よねじゅう)」の系列店。神保町に移転予定。

堀切菖蒲園駅近くにあった「米十」(筆者撮影)
堀切菖蒲園駅近くにあった「米十」(筆者撮影)

■6月30日閉店「かるかやうどん」西武池袋本店屋上

昭和43年に創業した屋上店、武蔵野うどんのようなコシのあるうどんが絶品だった。連日大行列で惜しまれながら閉店した。

■6月30日閉店「ローズハウス」道の駅川口・あんぎょう

BS日テレ「ぶらっと立ち食いそば」でも紹介された天ぷらとつゆが絶品の店。閉店が惜しまれる。

まさに憩いの場だった「ローズハウス」(筆者撮影)
まさに憩いの場だった「ローズハウス」(筆者撮影)

天ぷらもアルミ箔に入ったおにぎりも絶品だった(筆者撮影)
天ぷらもアルミ箔に入ったおにぎりも絶品だった(筆者撮影)

■7月31日閉店「蕎麦たつ」東京都港区浜松町1-2-17

芝浦店を経て大門でも地元民に愛されていたお店、つゆ・天ぷらは絶品の声。なぜ閉店してしまうのかと惜しむ声も大きい。

閉店する7月は大賑わいをみせた(筆者撮影)
閉店する7月は大賑わいをみせた(筆者撮影)

春菊天そばは絶品だった(筆者撮影)
春菊天そばは絶品だった(筆者撮影)

■7月31日閉店「立喰かめや」東京都中央区日本橋大伝馬町4-4

井桁に組んだごぼう天が人気だった老舗的存在。チェーン店のかめやとは別経営。

開店した立ち食いそば屋

■4月初旬開店「米十」東京都葛飾区堀切5-5-2

長野県松本市里山辺にある手打ちそば屋「そば庵 米十(よねじゅう)」の系列店、軍鶏出汁のつゆが絶品。6月には閉店し、神保町へ移転予定。

つゆが絶品(筆者撮影)
つゆが絶品(筆者撮影)

■4月22日開店「えんば」東京都板橋区板橋2-61-16

元和食の料理長と店長が作る絶品天ぷらとつゆの店。

板橋区役所前駅からすぐ(筆者撮影)
板橋区役所前駅からすぐ(筆者撮影)

立体的な春菊天は絶品(筆者撮影)
立体的な春菊天は絶品(筆者撮影)

■6月10日開店「STAND SOBA TOKYO」東京都千代田区岩本町3-10-8

埼玉県下で飲食店を経営していた集団が、「岩本町スタンドそば」があった場所に創業。これからの味の進化に期待。

■7月18日開店「峠そば」東京都中央区日本橋茅場町2-8-6

虎ノ門にあった「峠そば」は再開発で令和5(2023)年1月に閉店、移転先が茅場町に決定。ごま油の香る絶品の天ぷらは変わらない。

茅場町にオープンした「峠そば」(筆者撮影)
茅場町にオープンした「峠そば」(筆者撮影)

天ぷらは絶品(筆者撮影)
天ぷらは絶品(筆者撮影)

■8月1日開店「のじろう」東京都北区十条仲原1-11-2

江古田駅すぐにある肉そばが人気の店が十条仲通り商店街に2号店として登場。学割制度もあり。広い店内で椅子席中心。

8月1日、十条仲通り商店街にオープンんした「のじろう」(筆者撮影)
8月1日、十条仲通り商店街にオープンんした「のじろう」(筆者撮影)

冷し肉そばは絶品だ(筆者撮影)
冷し肉そばは絶品だ(筆者撮影)

大衆そば研究家・出版執筆編集人・コラムニスト

1959年生。東京理科大学薬学部卒。中学の頃から立ち食いそばに目覚める。広告代理店時代や独立後も各地の大衆そばを実食。その誕生の歴史に興味を持ち調べるようになる。すると蕎麦製法の伝来や産業としての麺文化の発達、明治以降の対国家戦略の中で翻弄される蕎麦粉や小麦粉の動向など、大衆に寄り添う麺文化を知ることになる。現在は立ち食いそばを含む広義の大衆そばの記憶や文化を追う。また派生した麺文化についても鋭意研究中。著作「ちょっとそばでも」(廣済堂出版、2013)、「うまい!大衆そばの本」(スタンダーズ出版、2018)。「文春オンライン」連載中。心に残る大衆そばの味を記していきたい。

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