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中国・天津の大爆発に襲われた人の動画が多数公開される

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
天津の大爆発を捉えたYouTube動画より

中国・天津市の倉庫で起きた大爆発を、偶然にも撮影していた人たちの動画が多数『YouTube』上に公開されています。

天津市では現地時間の12日夜に工業地帯で大規模な爆発が発生。14日までに55名の死亡を確認しており、コンテナや車などにも多数の被害が出ています。

YouTubeに公開されている動画は、工業地帯の見える位置に住んでいた一般市民が初期の出火時や一次爆発から撮影を始め、その後の大爆発に襲われたものです。

一次爆発、二次爆発を撮影

この動画では一次爆発、二次爆発の両方を撮影しています。とくにTNT火薬21トン分と言われる二次爆発は凄まじく、真っ暗だった空が光で真っ白になっています。

爆発の衝撃波が過ぎ去ったあと、空から街へと降り注ぐ火の玉の様子が確認できます。

二次爆発をハッキリと撮影

上記の撮影者より少し離れたところに住んでいるためか、この動画では二次爆発時の火の玉が飛び散っていく様子をハッキリと確認できます(動画は中国のSNS『Weibo』からの転載の模様です)。

現場近くの監視カメラから

爆発の起きた現場から10キロ圏内にあったとされる監視カメラが、爆発の衝撃に巻き込まれる男性の様子を捉えていました。

映像では、衝撃波によってガラス戸と一緒に吹き飛ぶ男性を確認できます。この男性が助かったのかどうか、今のところ情報が確認できていません。

ドライブレコーダーが捉えた衝撃波の威力

爆発した現場の方向に向かおうとしていた車が、一次爆発、二次爆発の両方をドライブレコーダーで捉えました。

一次爆発で危険を感じて下がったところを、二次爆発が襲っています。恐ろしいのはその衝撃波で、車の周りにあるものが吹き飛びそうな勢いで大きく揺れています。

動画よりまず身の安全の確保を

いずれの動画でも分かることは、衝撃波に注意しないといけないことです。これは、言い換えれば危険から身を守るという話です。

爆発を見て「これはすごい」とカメラを取り出したとしても、光のあとには音と衝撃という危険があなたに迫ってきています。

昨年起きた御嶽山の噴火でも、犠牲者の多くが噴火の様子を撮影していたために巻き込まれたという医師の証言があります。

この医師が検視した犠牲者のほぼ半数が噴火の写真を撮影していた。携帯電話を手に持ったまま亡くなっていた人もいた。噴火4分後の27日午前11時56分に撮影した記録が残るカメラもあった。噴火直後は自分たちが巻き込まれるとは思っていなかった可能性がある。医師は「写真を撮らず早く逃げていてくれれば」と残念がる。

出典:御嶽山噴火:頭部に噴石、即死20人 撮影し逃げ遅れも――検視の医師 - 毎日新聞

こうした現場の動画は事件の解明には役立ちますが、命を守ってくれるものではありません。同じような災害に遭われた際は、このことを思い出して十分に注意されてください。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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